埼玉新聞

 

さいたま市長選告示、現新の一騎打ちに 主な争点は新型コロナ対策、地下鉄7号線延伸、市役所移転など

  • 「コロナにしっかりと立ち向かっていく」と訴える清水勇人氏(左)=9日午前11時20分ごろ、さいたま市浦和区のJR浦和駅東口、「市民の暮らしや生活を第一に」と訴える前島英男氏(右)=9日午前11時ごろ、さいたま市大宮区のJR大宮駅東口

 任期満了に伴うさいたま市長選は9日告示され、いずれも無所属で新人の元小学校教諭前島英男氏(68)、4選を目指す現職の清水勇人氏(59)が立候補を届け出、現新の一騎打ちとなった。現市政3期12年の評価、新型コロナウイルス対策、地下鉄7号線岩槻延伸、市役所移転などが主な争点。新型コロナ特措法に基づく「まん延防止等重点措置」が適用され、感染防止を徹底しながらの異例の選挙戦となる。投開票は23日。

 前島氏は午前10時半、JR大宮駅東口で第一声。コロナ禍で県内の自治体75%が水道料金を値下げした例を挙げ、「市の水道料金は非常に高い。給食費を1年間無償にした自治体もある中、市はまさかの値上げ。本当に冷たい」と現市政を批判。市民の暮らしや生活を第一に税金を使うと強調し、大宮駅東口の再開発や市庁舎移転をコロナ収束まで凍結する考えを示した。地元北区の商業施設前やJR浦和駅東口などでも街頭演説を行い、「力を合わせて市政を変え、あったかいさいたま市をつくろう」と訴えた。

 前島氏は前回に続いて2度目の出馬。共産党さいたま地区委員会などで組織する「みんなのさいたま市をつくる会」から支援を受ける。

 清水氏は午前11時、JR浦和駅東口で第一声。3期12年の実績を強調した上で、さいたま市はコロナと人口減少や超高齢化の危機を迎えると説明。「二つの危機にしっかり立ち向かっていく。市民の命と暮らしを守ることを最優先に、さいたま市をもっと素晴らしい、市民が一人一人輝く、幸せを実感できるまちにしていく」と支持を呼び掛けた。午後は東武岩槻駅東口などで演説し、地下鉄7号線延伸について言及し、「間違いなく次の4年で、大きく一歩を進める」と力を込めた。

 自主投票とした自民党県連、立憲民主党県連はいずれも「友情支援」を表明。公明党県本部は支持し、連合埼玉などが推薦する清水氏への事実上の相乗りとなる。

 出馬表明していた新人山口節生氏(71)は届け出なかった。

 投票は23日午前7時~午後8時まで行われ、即日開票される。有権者数は8日現在、109万6665人(男54万1950人、女55万4715人)。

■さいたま市長選立候補者(9日、届け出順)

前島英男 68 元小学校教諭 無新

清水勇人 59 市長     無現

<略歴と公約>

■前島英男氏

 【略歴】(1)団体役員(2)さいたま地区労議長、埼労連副議長(3)埼玉大学教育学部(4)北区宮原町

 【公約】(1)コロナ禍から市民の命とくらし守る(2)くらし福祉第一に税金の使い方変える(3)待機児童の解消(4)小中で35人学級

■清水勇人氏

 【略歴】(1)市長(2)市社会福祉協議会会長、指定都市市長会副会長、元県議(3)日本大学法学部(4)見沼区堀崎町

 【公約】(1)新型コロナ対策(2)SDGsの推進と福祉、教育の充実(3)地域経済の活性化(4)防災と危機管理対策のさらなる充実

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