埼玉新聞

 

さいたま市長選、有権者の思い コロナ不安「ワクチン接種は丁寧に説明すべき」「飲食店以外も支援して」

  • マスクを着用し演説を聞く有権者ら=9日、さいたま市内

 新型コロナ特措法に基づく「まん延防止等重点措置」の適用下で9日スタートした、さいたま市長選。「ワクチン接種は丁寧に説明すべきだ」「飲食店以外にも手厚い支援を」。有権者は次のリーダーに対し、直面する新型コロナウイルスへのさらなる対策を求めた。

 「政令市の割にはPCR検査体制の充実やワクチン接種の取り組みも遅い」。中央区の無職伊藤恭一さん(72)、敏江さん(70)夫妻はこう指摘し「新型コロナ対応が市は後手で手遅れ。私たち高齢者は不安でならない。検査も含めた体制充実を図って」と促す。

 浦和区の主婦高萩恭子さん(77)は「今はとにかく新型コロナ対応をしっかりやってほしい」と注文する。市が10日から予約を開始するワクチン接種にも「具体的で丁寧に説明してくれれば(市民の)不安も軽減する」と強調した。

 感染拡大に伴う行政の対応に困惑の声も上がる。「飲食店はさまざまな補助金で支援策を講じているが、他業種の支援は行き届いてないように感じる」。浦和区で呉服店を営む鈴木正二さん(73)はこう語り、「どこも苦しい経営状況なので大きな声では言えないが、もっと手厚い支援をしてほしい」と加えた。

 緑区の公務員岡村匡将さん(22)はこの春に就職したばかり。「学生時代はコロナで思うようにアルバイトができなかった。学費の支援などがあればうれしかった」と顧みる。

 新型コロナの影響は子育ての現場にも影を落とす。浦和区の会社員小川美彩さん(35)は「新型コロナの影響で子どもの遊び場が大幅に減ったと感じる。親への負担も大きいので、早急に改善してほしい」と注文する。

 南区の会社員長堀健さん(53)は現在の市政について「弱者の人へもう少し緩和した政治をしてもいいのではないか」と苦言を呈した。

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