<ジモトピア>コロッチってなに? 駅チカで満喫、名所やグルメを歩きながら 遊歩道周辺に有名なホルモン屋やラーメン店立ち並ぶ 夏恒例、圧巻の祭りもこの場所で
熊谷駅北口から国道17号方面へ真っすぐ進むと、熊谷の中心部を流れる星川に当たる。遊歩道が整備され、憩いの場所として親しまれている。駅から近い場所で、地元らしい名所やグルメが満喫できる熊谷。星川に沿って歩きながら、2回にわたり紹介したい。
星川では近年、毎月第2土曜日に夜市が開催され、夕方から多くの人が楽しそうに行き交う。手作りの小物や地元の飲食店などがメインで、出店希望者は毎回抽選となるほど人気。途中に幾つかあるブロンズ像を眺めながら星川の流れをさかのぼるように東側へ。市役所通りを越えた場所にあるお祭り広場は、毎年7月20~22日にかけて開催されるうちわ祭の重要なスポット。12台の山車が熊谷囃子(ばやし)を響かせながら巡行し、集結して、かねやお囃子のたたき合いの様子は圧巻だ。22日の見せ場「年番送り」の行事もこの場所で行われる。
熊谷は終戦前夜に太平洋戦争最後の空襲があり、この星川周辺は甚大な被害を受けた。戦争の悲惨さを忘れないために「とうろう流し」が毎夏開催され、慰霊のための身代わり地蔵や女神の慰霊塔もある。
周辺には有名なホルモン屋、ラーメン店、地域の郷土料理のフライ、写真映えもするかき氷の「雪くま」などご当地グルメも豊富で楽しめる。
星川通りを秩父鉄道上熊谷駅方面に進んだ先には「熊谷一の味」の看板が目印の西京屋がある。外はカリっと、中はふわっとしたコロッケ(1個120円)は目の前で揚げてソースをかけてくれる。ラグビータウン熊谷らしい楕円(だえん)形の「ラガーコロッチ」も人気。コロッケとメンチの“ハイブリッド”が名前の由来らしい。
星川は1623年に荒川が氾濫した際に現在の星溪園となる「玉の池」ができ、そこから流れる清流が元になったとされる。星渓園は回遊式庭園で、初代県議会議長を務め熊谷の発展に多くの功績を残した竹井澹如(たんじょ)翁によって明治初年ごろに造られた。茶室など数寄屋造りの建物が幾つかあり、お茶会などでも活用され、庭園では散歩やスケッチを楽しむ人の姿も。無料で入園できるので季節を変えて何度でも訪れたい。
星渓園を出て国道17号をまたぎ、老舗百貨店の八木橋へ。毎年、大きな温度計が設置されることで有名。記録的な暑さ予報の日には全国メディアもその瞬間を撮ろうと駆け付ける。熊谷は中山道の江戸から8番目の宿場町。同店の入り口には中山道の碑が立つ。旧中山道は店内1階に通路が設置され、かつての道のりの風情を残している。上階には催事場もあり、さまざまなイベントが開催されるので、休憩がてら寄ってみるのもいい。
【メモ】西京屋=熊谷市鎌倉町82、電話048・522・1440。営業時間は、午前11時~午後1時、同4時~同7時。月曜定休。