「近代日本経済の父」と称される深谷市出身の実業家・渋沢栄一が主人公の大河ドラマ「青天を衝（つ）け」で薩摩藩士の五代才助（友厚）役を演じるディーン・フジオカさんがオンライン取材に応じ、「（作品の五代は）意外とワイルドで、野性味あふれる型にはまらない役柄。新時代を予感させるような演出にも注目して」と見どころを語った。

　五代才助（友厚）は、薩英戦争でイギリス海軍の捕虜となるも脱出。逃亡生活中には渋沢栄一の故郷・血洗島にほど近い熊谷宿に潜伏していた。長年の長崎遊学で世界情勢に通じ、貿易での富国強兵を唱え渡英。留学中にパリ万博の情報を収集し、薩摩藩で参加して幕府の威信を落とす。この時に幕府側の一員で参加していたのが栄一で、後に「西の五代、東の渋沢」と称される実業家となる。

　大河ドラマ初出演のディーンさんは、2015年度後期連続テレビ小説「あさが来た」で演じた五代役で再び登場。放送当時は「五代様」と親しまれ、志半ばで早逝すると「五代ロス」に陥る視聴者が続出した。「今回の話を頂いた時、五代さんとの時空を超えた不思議な縁を感じた」と喜びをにじませる。「朝ドラの五代さんに固執しないように意識している。新しい挑戦をするワクワク感を明確に感じている」と明かした。

　「偉大な先輩」五代を演じる中で日々「かっこいいな」と感じる場面があるという。「こういう風に物事を考えて行動できたら良いなと思う。五代さんは偉大な知恵と行動力を持った先輩」と尊敬する。「新しい時代を作っていく中で、同じビジョンを持った人が違う環境下で切磋琢磨（せっさたくま）し高め合っていく。ここからどう展開していくのか自分も楽しみ」と話した。