女子サッカー部員の活躍描くアニメ映画、6月に全国ロードショー モデルの埼玉・蕨の学校で横断幕お披露目
県立蕨高校がモデルとされる「県立蕨青南高校」女子サッカー部員の活躍を描く新川直司さん原作のアニメ「さよなら私のクラマー」の、女子部員たちが、女子サッカー部がない公立中学校「藤第1中学校」で男子部員に交じって奮闘する姿を描く「さよなら私のクラマー中学校編」が劇場版アニメ映画として制作された。実際にある蕨第一中学校がモデルとされ、蕨高校と同時に蕨一中も盛り上がっている。
新川さんには「さよなら私のクラマー」の前に女子サッカー部がない公立中サッカー部の女子部員の活躍を描く前作「さよならフットボール」があり、この内容が劇場版のベースになっているという。
6月11日の「中学生編」全国ロードショー開幕に先立ち縦4メートル、横20メートルの大きな映画宣伝の横断幕が市内のビッグフラッグメーカー「染太郎」(影山洋社長)で完成、そのお披露目が20日、同市南町の蕨第一中学校(荒川順一校長、生徒数504人)で行われた。
サッカーの練習にも使う、京浜東北線に面した広い校庭に横断幕を広げ、同校のサッカー部員約40人が囲んだ。中央に女子部員4人も並んだ。
ドラマの舞台、藤第1中には女子サッカー部はない。女子がサッカーをするには男子と一緒にプレーをしなければならない。
実際の蕨第一中も、女子サッカー部はない。部員45人の中で、女子4人が男子に交じって走り回り、奮闘している。
3年生、山口莉々子さんは「めっちゃ苦労してる。特に3年生は高校受験があるので、サッカーと勉強との両立も苦労のたね。練習を一生懸命やると、勉強が苦しい」と話した。
3年生、荒木月妃(るな)さんは「男子とは体力で差があるし、ぶっ飛ばされるし、けがが多いです」。
「中学を卒業しても、将来もできるならサッカーを続けたい。楽しいから」と山口さん。「練習メニューはきついけど、やっていれば楽しい」と荒木さん。
アニメの題名のクラマーとは、1964年東京五輪の日本代表選手のコーチとして1960年に招かれ、技術だけでなく精神や生活面でも優れた指導を行い、日本のサッカーの父と称えられるドイツ人、デットマール・クラマーさんのこと。
山口さんらは「クラマーさんにはサッカーに対する熱意を感じる。あのアニメからは、頑張れば前に行けるという勇気をもらえた」と話す。