埼玉新聞

 

日本との友情の証し、大切に 埼玉・川口市、スリランカへ救急車を寄贈 駐日大使「たくさんの人が救われる」

  • スリランカへ贈られる救急車の前に立つウィシュラマール駐日大使(左から5人目)と奥ノ木市長(同6人目)ら両国関係者=27日、川口市消防局

 川口市で長く活躍してきた消防局の救急車1台がスリランカへ寄贈されることになり、贈呈式が27日、同市芝下の市消防局で行われた。式典で奥ノ木信夫市長は名古屋入国管理局に収容中に亡くなったスリランカ女性のことに触れ「亡くなったことに心からご冥福をお祈りします」とした上で「この車はまだまだ元気。スリランカでたくさんの人を救ってあげてほしい。大いに活躍してほしい」と述べた。

 式典には同国大使館からウィシュラマール・サンジーヴ・グナセーカラ駐日大使らが出席し「スリランカでもコロナは深刻で、感染者が急増している。この救急車でたくさんの人が救われる。この車は日本との友情の証しとして大切にしたい」と謝辞を述べた。

 また、同大使は「奥ノ木市長の『弱いところへ光を』という言葉に感動した。私たちの国では救急車が一台もない村がある。この車は一番貧しいところへ送りたい」と話した。

 贈られる救急車は2011年から新郷や芝園など消防署で活躍し走行距離は16万キロ。「エンジンは快調でまだまだ活躍できる」と市長が太鼓判を押した。「川口市消防局」の文字が車体に書かれたままだ。このまま、スリランカで走るという。

 川口市に本社を置き、スリランカに営業拠点を置くIC関連会社「彩ネット」の井上太郎社長、立石泰広県議らが仲介し、浦和北東ロータリークラブ(山中重則会長)が輸送資金で協力した。

 一行は消防局4階での式典の後、1階の北消防署車庫で、出動態勢で待機する消防車の中に誇らしげに止まった救急車の前で、笑顔の記念写真に納まった。

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