長さ15センチ!どんぶり覆う豚角煮2本乗る一番人気のラーメン とろけるように柔らかい 行田の香港飯店、地元出身のマスターが切り盛り 常連客だけでなく観光客も
県道を挟んだ行田市役所の向かいに、赤い看板を掲げた2階建ての店がある。地元出身のマスター、市川政雄さん(68)が切り盛りする「香港飯店」だ。創業39年目を迎え、現在の場所では1999年から営業している。
オープン以来の一番人気は、「角煮ラーメン」。長さ15センチ、幅4センチ、厚さ3センチほどもある豚の角煮が2本、どんぶりを覆い尽くすように乗る。「インパクトがあった方がいい」と笑う。バラ肉を使い、煮込み、揚げ、蒸しの3段階で仕上げた角煮は、とろけるように柔らかい。スープはしょうゆ味のみだったが、客の要望に応えてみそ味、塩味も提供するようになった。
大学生の頃、県内の中華レストランでアルバイトをするうち、料理人を志すようになった。小学6年生の時、父義雄さんが交通事故で他界。母ミツさんが一人で市川さんら子ども3人を育てたため、自分で食事を作る習慣があったのも影響した。「本格的に学ぼう」と川口市や群馬県内の中華料理店で四川、北京料理を習得。30歳になる直前の86年2月、行田市内で独立した。「母が居るから、戻ろうと思った」と振り返る。
客の目線に立ち、一品料理は大と小を用意。開業時からある「ひとくち鉄板餃子(ギョーザ)」は、熱々の鉄板で席まで届ける。「3回もお代わりした家族もいます」と言うほどの人気だ。地元の常連に加え、近年は足袋蔵の町並みや忍城跡などを巡る観光客も訪れる。市川さんは「若くはないけれど、体が動くうちは続けたい」と、もてなしの心で迎えるつもりだ。
【主な人気メニュー】
角煮ラーメン(しょうゆ、みそ、塩味ともに1200円)、ひとくち鉄板餃子(580円)、エビチリソース(大1800円、小1250円)、エビチリあんかけチャーハン(1200円)、チーズオムレツのエビチリあんかけソースがけ(1300円)。料金はいずれも税込み。
【メモ】
香港飯店 行田市本丸1の8(電話048・555・2472)。営業時間は午前11時半~午後2時、午後5時半~同9時(同8時半ラストオーダー)。定休日は火、水曜。秩父鉄道行田市駅から徒歩約10分。行田市役所向かいの県道128号熊谷羽生線沿い。