埼玉新聞

 

まさか!メッセージは被害者が必ず口にする言葉 埼玉・ふじみ野のマミーマート、レシートで詐欺の注意喚起

  • 東入間署の関根郁久署長(右)から感謝状を贈呈されたマミーマートの岩崎裕文社長=5月25日午後、東入間署

  • 特殊詐欺の注意喚起メッセージが記されているレシート

 横行する特殊詐欺被害を未然に防ごうと、東入間署はふじみ野市苗間のスーパー「マミーマート生鮮市場TOP苗間店」と協力し、レシートに注意喚起のメッセージを印刷する啓発活動を行っている。活動は10年以上継続しており、同署は5月25日、啓発活動の推進に貢献したとして、同社の岩崎裕文社長(49)に感謝状を贈呈した。今年5月にはメッセージ内容を変更。より身近に感じてもらえるように工夫した。

 レシートに印刷されているメッセージはこれまで、「警察官を騙(かた)った振込め詐欺が多発! 常に留守番電話にすることで被害を防げます」(原文のまま)という硬めの文章だった。

 同店の1日の買い物客は約2500~3千人。より多くの人の胸に響く文言を署員で考え、ひねり出したのが「まさか私が騙(だま)されるなんて‥」。実際に特殊詐欺被害に遭った人が必ずと言っていいほど口にする言葉だという。その次に「ATMに行って!代わりの者が来る!は詐欺です」と続く。書き出しにインパクトがあり、文言も市民目線を意識したという。

 関根郁久署長から感謝状を受け取った岩崎社長は、「特に高齢者の方が大きな被害に遭っていることは日頃から見聞きしていた。一人でも多くの方に伝わってほしい」と願った。

 東入間署によると、管内で1~4月末に発生した特殊詐欺被害の認知件数は県内ワーストの28件で、昨年同期比で17件増えている。同署の佐藤耕一生活安全課長は「高齢者の方だけではなく、子ども世代、孫世代も含めて家族の絆で防いでくれれば」と力を込めた。関根署長は「このレシートが会話の手助けになる。『こういう詐欺があるよ』と、おじいちゃんやおばあちゃんに伝えてほしい」と若い世代にも呼び掛けた。

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