埼玉新聞

 

ボーナス連続増53・8万円 経営苦しくても人材確保で 小さい企業ほど増やす傾向 埼玉県平均

  • 県内経済

 ぶぎん地域経済研究所は14日、県内企業の2024年度夏季ボーナス支給予定調査の結果を発表した。1人当たり平均支給予定額は全産業で前年度比1・2%増の53万8546円。業種別にみると、製造業は同2・0%増の50万7438円、非製造業は同0・7%増の55万6324円で、いずれも増加見込みとなった。

 アンケートは4月16日~5月28日、県内企業535社を対象に実施し、163社(30・5%)が回答した。

 支給方針を全産業でみると、昨夏より増加と回答した割合は24%(前年度比5ポイント増)で2期連続の増加。減少と回答した割合は9%(同3ポイント減)にとどまり、2期ぶりに減少した。未定は15%(同2ポイント増)だった。

 業種別でみると、製造業は増加が24%(同7ポイント増)、減少が12%(同6ポイント減)。一方、非製造業は増加が前年と横ばいの23%、減少が7%(同2ポイント増)となった。

 規模別でみると、従業員数100人以上の企業で増加が16%(同2ポイント減)、同100人未満で30%(同10ポイント増)と対照的な結果となり、「規模の小さい企業ほど経営環境が厳しくても賞与を増やして人材を確保しようとする姿勢がうかがえる」と分析した。

 ボーナスの支給方針や額を決定する際に参考にする事項は「自社の業績」が95%(同3ポイント増)で最も多く、次いで「昨夏の支給実績」が62%(同9ポイント増)で続いた。

 同研究所が行った経営動向調査と照らし合わせると、21年以降の経常利益BSIが「減少超」であるにもかかわらず、支給方針は一貫して「昨夏より増加超」となっており、「規模の小さい企業ほどその傾向が強い」と分析。物価高騰や慢性的な人手不足が続く厳しい経営環境下で「夏季ボーナスに意欲的な企業行動がどこまで続けられるのか、注意深くみていく必要がある」とした。

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