埼玉新聞

 

急な便意…深谷警察署長、店のトイレットペーパー5個盗む 飲酒する官舎に13個が…60歳、依願退職

  • 深谷署=深谷市戸森

 鴻巣市の商業施設内のトイレでトイレットペーパー5個を盗んだなどとして、県警は3日、深谷署長の田中敬警視(60)を減給100分の10、1月の懲戒処分にしたと発表した。田中署長は同日付で依願退職した。県警は窃盗の疑いで捜査を進め、容疑が固まり次第書類送検する方針。

 県警監察官室によると、田中署長は5月29日午後8時6分ごろ、鴻巣市本町のJR鴻巣駅に併設されたショッピングセンター「エルミこうのす」1、2階の男性トイレで、備え付けのトイレットペーパー計5個(時価170円相当)を盗んだ。トイレットペーパーを入れた紙袋を持って2階の個室トイレから出てきたところを、客の男性が発見。連絡を受けた警備員が鴻巣駅前交番に通報した。

 田中署長は休みで、深谷市内の署長官舎で飲酒した後、電車で鴻巣市内の自宅に帰って飲酒。自宅から官舎に戻る途中で現場のトイレに立ち寄った。酒気を帯びている状態だったという。

 県警は2日、窃盗容疑で官舎と自宅を家宅捜索。官舎からは同施設のトイレで盗んだとみられるトイレットペーパー13個が見つかったという。

 田中署長は県警の調べに、「急な便意を催しやすいのでトイレに立ち寄った。深谷市に戻るまで不安だったので自分で使うために盗んだ」と説明。「警察、市民、家族の信頼を裏切り、大変申し訳ない」と話しているという。

 県警の荻野長武首席監察官は、「幹部職員がこのような事案を起こし誠に遺憾。被害者と県民の皆さまにおわびします。職員に対する職務倫理教養を徹底し、信頼回復に努めます」とコメントした。

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