<新型コロナ>五輪・パラのPV、埼玉県が中止を決定 実施を模索も感染リスクを考慮 知事「残念だ」
大野元裕知事は7日の記者会見で、東京五輪・パラリンピック期間中にさいたま、朝霞両市で実施を予定していたパブリックビューイング(PV)2会場の中止を決定したと発表した。新型コロナウイルスによるリスクなどを考慮した。知事は「興奮と感動を共有するというPVの意義が達成できないとの結論に至らざるを得なかった。残念だ」と述べた。
中止が決定されたのはソニックシティ(さいたま市大宮区)と朝霞市立総合体育館。2会場では当初、スポンサーによるブース出展や関連イベントが行われる「ライブサイト」を実施予定だったが、規模を縮小したPVのみとするなど、県が実施方法を模索していた。
県オリンピック・パラリンピック課によると、実施業者の公募に向け入札の手続きを行っていた段階で、キャンセル料などは発生しない。同課の担当者は「今から準備しなければ7月下旬からの大会開催に間に合わない、ぎりぎりのタイミングだった」と説明した。
PVの開催には大会組織委員会に申請する必要がある。組織委は申請時期を今月以降としており、学校や企業、自治体などが申請できるが、県の担当者は「開催を希望する団体は今のところ把握していない」としている。
水泳の瀬戸大也選手ら有力選手を輩出している毛呂山町は、埼玉新聞の取材に「コロナ禍以前は(PV開催などの)話もあったが、感染症のリスクを考え5月に実施しないことを決めた」と説明。選手らに応援の気持ちを伝えるため、今月から動画や写真の募集を開始したという。
一方で7月6日から始まる聖火リレーは実施の方向で、3日間それぞれのゴール地点では500人前後の観客を迎えた祝賀イベントも予定されている。
知事は「PVは県の主催だが、聖火リレーは大会組織委員会と共催」との背景も挙げつつ、実施に向けて準備を進める考えを示した。実施形態は今月29日に最終判断される。