埼玉新聞

 

<新型コロナ>さいたま市、教諭・保育士へ優先接種の方針 社会インフラ維持に必要不可欠な職業を優先へ

  • さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

 さいたま市は、新型コロナウイルスワクチンの接種で、保育士や小中学校の教諭らへの接種を優先する方針を示した。希望する65歳以上の高齢者が接種を終える見通しの7月末から9月に実施する予定。22日には、予約に空きが出ていた集団接種会場の市営桜木駐車場で、市立保育園の保育士ら約10人への接種を行った。高齢者を優先しながら、接種枠に空きが出た集団接種会場で、保育士らへの接種を今後も進めていくとしている。

 市は社会インフラ維持に必要不可欠な職業に就く市民への接種を優先する方針。保育士、小中学校の教諭のほか、対象の職種を今後決定する。

 希望する高齢者と高齢者施設入居者らへの接種は7月末に終了する見込み。6月25日時点で、高齢者約32万人の49.6%に当たる15万9088人が1回目の接種を終えた。接種の希望者を7割と想定しており、最も早く接種が開始された85歳以上は69%の約3万8千人、80~84歳は72%の約3万8千人が1回目を接種した。

 今後は接種を希望しながらウェブ予約などの申し込みができない高齢者のほか、ホームレス、中高校生らへの対応が課題に挙がっている。

 1人暮らしの高齢者には、民生委員や自治会に協力を依頼して働き掛けを行う。ホームレスなど住民票のない人に対しては、支援団体と連携しながら、専用の相談窓口の設置を検討。中高校生の接種は、日本小児科学会が「できれば個別接種が望ましい」としていることから、子育て世代に十分な周知を行って、個別接種を推奨する方針。

 市消防局によると、救急救命士や消防署員らは医療従事者の対象として、市立病院で優先接種を実施。局員の96%に当たる1292人が接種を希望し、今月3日までに2回目の接種を終えたのは1283人で、ほぼ終了する見込み。2回目の接種から2週間以上が経過し、接種後に感染が判明した職員はいない。市消防局は現在、接種した職員全員にアンケート調査を実施。熱やはれ、倦怠(けんたい)感など副反応の有無などを調べ、今後の対応に生かしていくという。

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