埼玉新聞

 

<新紙幣、新時代。>栄一翁の想い継ぐ~(4)  ビビる大木さん「渋沢さんの生き方は僕の好奇心を刺激」

  • 「渋沢栄一の生き方や考え方が、僕の好奇心を刺激します」と熱く語ったビビる大木さん=東京都内

    「渋沢栄一の生き方や考え方が、僕の好奇心を刺激します」と熱く語ったビビる大木さん=東京都内

  • 「渋沢栄一の生き方や考え方が、僕の好奇心を刺激します」と熱く語ったビビる大木さん=東京都内

 2024年7月3日、ついに発行となった新1万円札の肖像となる渋沢栄一翁は、我々の故郷・埼玉県深谷市の出身です。

 「道徳経済合一」や「論語と算盤」など栄一翁の精神は、変化に富む現代においても脈々と受け継がれ、多くの日本人がその魂に触れ、影響を受けています。

 「新紙幣、新時代。〜栄一翁の思い継ぐ~」では、地元深谷や栄一翁にゆかりのある皆さんに、栄一翁の残した「言葉」を選んでもらい、語っていただきました。

■「天より人を視れば、みな同じく生みしところのものである」(「渋沢栄一訓言集」道徳と功利)

 縁あって2020年に「ビビる大木、渋沢栄一を語る〜僕が学んだ45の教え」を出版させていただきました。渋沢さんを知るため「論語と算盤」をはじめ渋沢さんに関する本を読み漁りました。渋沢さんは、明治政府で役職に就きますが、自らその職を辞して、民間に下ります。「せっかく偉くなれたのに…」。僕の知っている明治時代に活躍した人とはどうやら生き方、考え方が少し違うようなのです。渋沢さんのそんなところが、僕の好奇心を刺激します。

 「天より人を視れば、みな同じく生みしところのものである」。身に沁みる言葉です。天から与えられた時間はまったく一緒だぞ、その時間、君は何をするんだい?何に使うかは自由だよ、と。

 渋沢さんは、自分と同じ年頃には、とっくに明治政府を離れ、銀行や会社をいくつもつくっています。そんな熱意あふれる生き様に触れ、力強い言葉に触れ、僕は「よし、まだ頑張ってみよう!」と思えるのです。

 渋沢さんが亡くなられて90年以上経つというのに「埼玉出身」というわずかなつながりだけで、現代においても僕のような芸人に、こうして仕事を与えてくれて、経済が回る。これを偉業と呼ばずして何と呼ぶのでしょう。渋沢さんに「こんばんみ〜」とあいさつしたら、何と返してくれるでしょうか。きっと「大木君、それ新しいね!」って言ってくれるんじゃないかな。

(2024年7月3日 埼玉新聞発行「新紙幣、新時代。〜栄一翁の思い継ぐ~」より全文掲載)

■びびる・おおき

 1974年9月29日生まれ。春日部市出身。ワタナベエンターテインメント所属。1995年お笑いコンビ「ビビる」を結成。2002年に解散以降は「ビビる大木」としてマルチに活躍。現在はTBS『ラヴィット!』火曜レギュラー、テレビ東京『家、ついて行ってイイですか?』、中京テレビ『前略、大とくさん』、J:COM『埼玉の逆襲』MCなど。

 第5回は7月8日(月)、埼玉りそな銀行社長・福岡聡さんを配信予定です。

=埼玉新聞WEB版=

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