聖火リレーの方針、埼玉県が最終決定 公道走行が中止の川口とさいたまのランナー、最終日に短距離でリレー
県は29日、7月6~8日に実施する東京五輪の聖火リレーの実施方針を最終決定し、公道走行が中止された新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」対象区域の川口、さいたま市のランナーは、最終日に短い距離のリレーを行うとする代替措置を発表した。さいたま市で8日夕、一般公募した観客や来賓ら約500人を入れるセレブレーションイベントは予定通り実施される。
大野元裕知事は「結果的に全てのランナーに聖火をつないでいただけることとなり安堵(あんど)している」とコメントを発表した。
県オリンピック・パラリンピック課によると、川口市の青木町公園炬火台前では6日午前、ユニホームを着たランナーがランタンに入った聖火やトーチを持って記念撮影などを行う。8日夕にはセレブレーション会場のさいたま新都心公園に約110メートルのコースを設け、川口市のランナー10人、次にさいたま市のランナー24人が1人10メートル程度走って聖火をつなぐという。同課の担当者は「代替措置でリレーを行うことは組織委員会に認められておらず、セレブレーションで従来のプログラムに加え、2市のリレーを実施することを決めた」とした。
セレブレーションは6~8日の各日にゴール地点で開催される。県は6月22日時点では、最終日のさいたま市でのセレブレーションでも代替措置を検討するとしていた。予定通りの実施としたことについて同課は「無観客とする選択肢もあったが、参加者数は県が重点措置区域内のイベントについて要請している観客上限を大きく下回っている。間隔を空け、外から見えないように目張りもするので十分実施できるという判断に至った」とした。
■「前向きに受け止めて」
さいたま市の清水勇人市長は29日、「残念ながら、公道での走行はかないませんでしたが、さまざまな思いや強い決意を胸に秘めたランナーの皆さんが、本日の決定を前向きに力強く受け止めていただけることを願っております」などとコメントを出した。