人気の「うんこ」活用、強いインパクトで熱中症対策へ 埼玉・熊谷市、子どもらに啓発「市民が注目」
日本一暑いまちとして知られる熊谷市は、本年度から新たな暑さ対策事業に取り組んでいる。本年度はこれまで暑さ対策事業を実施していなかった世代にも涼を与え、幅広く暑さ対策を実施。1、2歳児に「ベビー用保冷シート」、小学1~3年生には、例文全てに「うんこ」という言葉を使って人気を集めた「うんこドリル」とコラボした「うんこ熱中症ドリル」を配布。外国人にも「熱中症予防啓発うちわ」を配布し、熱中症対策を呼び掛けていく。
■熊谷市が啓発事業
ベビー用保冷シートはベビーカーやチャイルドシートに取り付けて使用できる。水の気化熱を利用した給水パットと保冷ジェルの組み合わせで、体感温度マイナス10~3度を3~4時間ほど保つことができる。市オリジナルの「スクマム」の刺しゅうは白熊で、涼しげな印象を与える。
市内在住で本年度に1、2歳となる幼児約2500人に配布。7月初旬に一括発送し、その後転入した幼児は転入手続きの際に窓口で配布する。暑さ対策事業では、市内在住の3~6歳児に「ニャオざねクールキャップ」を配布しているが、これまで1、2歳児が対象の事業はなかったという。
小学校低学年向けには、学習教材として人気のある文響社の「うんこドリル」キャラクターとコラボした熱中症啓発ドリルを5千部作製し、6月15日に市内の小学校29校に配布。児童が自分で暑さ対策について理解し、自分自身で対策が取れるようになることを目的としている。
クリアファイルも作製したほか、市有施設や民間の協力施設などのトイレに、うんこドリルキャラクターとコラボしたポスターを掲示。市健康づくり課は「ポスターもうんこをモチーフとしたインパクトの強いキャラクターのため、市民からの注目も集まり、熱中症予防啓発に効果的であると考えている」としている。
訪日外国人の約半数は十分な熱中症の知識を持ち合わせていないという調査結果もあることから、市内在住の外国人3682人のために熱中症予防情報を記載したうちわも配布する。熊谷うちわ祭や2019年のラグビーワールドカップで配布した「スクマムうちわ」が好評だったことから、スクマムうちわ同様に3面折り型にしたという。
熱中症の概要や予防方法、熱中症の症状を他者に伝えるピクトグラムなどを記載したうちわを易しい日本語と英語、易しい日本語と中国語(簡体字)の2種類を4千部ずつ作製。市国際交流協会や市役所、観光案内所、宿泊施設などで6月28日から配布を始めた。
市政策調査課は「子どもや外国人など、これまで暑さ対策事業が抜けていた世代にもグッズが行き届き、熱中症予防につながれば」と話している。