埼玉新聞

 

ミスユニバース埼玉のファイナリスト、農業系ユーチューバーへ 摂食障害寸前…食の大本、農業に興味

  • 「動画を発信することで農家の方や飲食店の方とつながりが広がっていくことがうれしい」と話す水川瞳さん=入間市内

 動画投稿サイト「ユーチューブ」で県内の農家を紹介する動画を投稿し、農業に関わる人々の思いを伝えている農業系ユーチューバーの水川瞳さん(25)。モデルからユーチューバーへ転身し「活動を通じて地元が好きなんだと改めて感じた」と笑顔で話す。

 水川さんは入間市で生まれ育ち、製菓学校に進んだ。卒業後、20歳の時にミスコンテスト「ミスユニバース埼玉」のファイナリストとなり、その後モデル業の道へ。子どもの頃からあこがれていた職業へと進んだ一方で「モデルは見た目に捉われる職業。食べないで体型を保つのは自分の気持ちと相反し、心がついていかなくなった」と感じるようになった。摂食障害寸前にまで追い込まれ、食の大本である農業に興味を持つようになった。

 2019年にミスユニバースの活動を通じて縁があった埼玉県庁に農業の応援をしたいと企画書を持ち込み、現在も通う越生町の梅農家「山口農園」を紹介された。農園で梅の栽培や収穫の仕事を手伝う中で「農業は重労働だけれどみんなで力を合わせて作業をすることで絆も生まれる。きついけど爽快で楽しいな」と感じるようになった水川さん。自分の言葉で魅力を届けたいと思いユーチューブへの動画投稿を始めるようになった。

 「農家の方が発信している動画は理論中心でマニアックだった。もちろん理論も大切だけど、違う分野で初心者の私が発信することで農園に興味を持ってもらえるのでは」と投稿を続けている。

 これまでに狭山茶農家や入間市内のポインセチア農家を訪れ、農業に携わる人たちや農作物に込められた思いを伝えてきた。「動画を通じて農家の人たちや積み上げてきた思いを知ってもらい、農業の良さを感じ取ってもらいたい」とほほ笑んだ。

 水川さんの動画はユーチューブ「埼玉農業かってに応援プロジェクト」のチャンネルで見ることができる。

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