埼玉新聞

 

【東京ウオッチ】他者の痛みに“想像力”高めたい―西村まさ彦さんと堀井美香さんが三浦綾子朗読劇 いまのTokyoをつかむイベント情報(13日~21日)

  •  「泥流地帯」の2人語りで共演する俳優の西村まさ彦さん(左)とフリーアナウンサーの堀井美香さん(photo by キムアルム)(提供写真)

     「泥流地帯」の2人語りで共演する俳優の西村まさ彦さん(左)とフリーアナウンサーの堀井美香さん(photo by キムアルム)(提供写真)

  •  三浦綾子さんの作品「母」を朗読する堀井美香さん(photo by キムアルム)(提供写真)

     三浦綾子さんの作品「母」を朗読する堀井美香さん(photo by キムアルム)(提供写真)

  •  木下友梨香「カラー」((C)ギャルリーためなが)(提供写真)

     木下友梨香「カラー」((C)ギャルリーためなが)(提供写真)

  •  石垣島の有機パイナップルジュースを使ったドリンク(提供写真)

     石垣島の有機パイナップルジュースを使ったドリンク(提供写真)

  •  「ハンドメイドインジャパンフェス2024」で展示されるオリジナル作品(提供写真)

     「ハンドメイドインジャパンフェス2024」で展示されるオリジナル作品(提供写真)

  •  「泥流地帯」の2人語りで共演する俳優の西村まさ彦さん(左)とフリーアナウンサーの堀井美香さん(photo by キムアルム)(提供写真)
  •  三浦綾子さんの作品「母」を朗読する堀井美香さん(photo by キムアルム)(提供写真)
  •  木下友梨香「カラー」((C)ギャルリーためなが)(提供写真)
  •  石垣島の有機パイナップルジュースを使ったドリンク(提供写真)
  •  「ハンドメイドインジャパンフェス2024」で展示されるオリジナル作品(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【20日(土)】

 ▽「Yomibasho Vol.4『泥流地帯』/『母』」(昼公演は14時、夜公演は19時、台東区・東京文化会館小ホール、事前予約制)

 フリーアナウンサーの堀井美香さんと俳優の西村まさ彦さんによる、音楽朗読会が上野で開催される。ピアノ演奏は川田健太郎さんが担当する。

 堀井さんがTBS退職後に自ら企画、今回で4回目となる。昼・夜公演とも作家三浦綾子さんの作品を取り上げる。

 昼は初共演となる西村さんを迎えて「泥流地帯」の2人語りを行う。1926年の十勝岳噴火の火山泥流で開拓地を奪われた農民が立ち上がり復興していく様子を描く。

 西村さんは宮城、熊本、能登半島などの被災地で復興支援に取り組んでいる。「明日は自分にも降りかかるだろう被害に遭われた方々の力になりたいというのは自然な気持ち。同情や正義感からではなく、苦闘する人々の状況を一人の人間として共有したかった」と活動の理由を語る。「故郷の富山も被災した。懸命な支援活動を行う人々に心打たれ、“人間捨てたもんじゃない”と感じた。他者の痛みへの想像力を共に高めたい」

 夜は「母」を堀井さんが朗読する。治安維持法違反容疑で逮捕され拷問死を遂げた小説家の小林多喜二への思いを母のセキが語る物語。堀井さんの故郷・秋田を舞台にした作品であり、秋田弁で演じる。「悲劇でありながらも家族の温かさを感じる。セキさんは市井の人。国家権力に追われた息子の状況を感じる力はそんな人の方が誰より強い」と堀井さん。「人間の不平等に対する作家の思いに共鳴して作品を選んだ。今に生きる私たちにも無縁ではないテーマだと思う」

 

 ○そのほかのお薦めイベント

 【13日(土)】

 ▽「Emerging Visions エマージング・ヴィジョン The New Generation of Japanese Artists」(~8月18日、中央区・ギャルリーためなが)

 パリで評価を得た若手日本人アーティストたちの作品を紹介する展覧会が、銀座で開催されている。

 1969年に印象派から現代美術まで扱う画廊として創業。現代フランスの代表作家のほか、日本を含むアジアや欧米の新鋭作家の紹介に力を注いできたギャルリーためなが。2021年に50周年を迎えたパリ店でも日本人若手の作品を積極的に展示している。

 本展にはパリ店で紹介されたアーティスト7人による新作を含む約40点が並ぶ。東京出身の小津航さんは、山水画や浮世絵、西洋美術の表現を掛け合わせた油彩画を展示。ゆったりした画面構成が、見る者に癒やしと安らぎを与えてくれる

 花農家で育った幼少期の記憶から花や植物を抽象表現する佐賀出身の木下友梨香さんも参加。「故郷の暮らしで身近な存在だった花々を、ペンキを使い手で描いた。それらの作品を誰かがパリで購入し、SNSで紹介してくれる。自作の評判が国際的に高まっているのを実感している」と話す。

 他の参加アーティストたちも、個性と魅力あふれた作品を披露。パリの美術愛好家たちから活躍を期待される才能を、東京の街から発信する試みとなる。

 ▽「ホテル雅叙園東京の夏メニュー」(~9月30日、目黒区)

 夏野菜や旬の海鮮を堪能できる限定メニュー、彩り豊かな果実を用いた「涼」がテーマのドリンクなどが、目黒の和洋中五つのレストランで提供されている。

 注目は、隠れ家的雰囲気が漂うイタリアンレストラン「CANOVIANO CAFE」が沖縄県・石垣島の有機パイナップルジュースを用いたトロピカルなカクテルとモクテル(ノンアルコールカクテル)。太陽の恵みを受けた果実の甘みが堪能できる。

 【20日(土)】

 ▽「ハンドメイドインジャパンフェス2024」(~21日、江東区・東京ビッグサイト西1・2ホール)

 日本最大級のクリエーターの祭典が、有明で行われる。全国各地のクリエーター3千人が出店し、オリジナル作品の数々を販売。全ての参加者は公募により決定されており、クオリティーの高い作品が紹介される。

 メインのエリアには、アクセサリーやバッグなどのファッションアイテムからインテリア、キッチン、アート、器、手工芸品までが並ぶ。各地の伝統工芸士や人気クリエーターたちによる約70種類のワークショップも体験できる。“ものづくり”の最先端を体感できる機会となるだろう。

 【21日(日)】

 ▽「日曜午後のコンサート@ヒルサイドテラス 第55回 アレクセイ・シチェフ:ピアノ」(14時、渋谷区、事前予約制)

 才能ある若い演奏家による約1時間のコンサートが代官山で約2カ月に1度、行われている。

 55回目となる21日は、多くの国際ピアノコンクールで優勝したロシアのアレクセイ・シチェフさんの演奏が聴ける。夏の午後に、リストの「ラ・カンパネラ」などの名曲に触れてみたい。

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