<新紙幣、新時代。>栄一翁の想い継ぐ~(9) 深谷商業高校・堤瞳さん「地元深谷に貢献できる人材に」
2024年7月3日、ついに発行となった新1万円札の肖像となる渋沢栄一翁は、我々の故郷・埼玉県深谷市の出身です。
「道徳経済合一」や「論語と算盤」など栄一翁の精神は、変化に富む現代においても脈々と受け継がれ、多くの日本人がその魂に触れ、影響を受けています。
「新紙幣、新時代。〜栄一翁の思い継ぐ~」では、地元深谷や栄一翁にゆかりのある皆さんに、栄一翁の残した「言葉」を選んでもらい、語っていただきました。
■「ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず」(「夢七訓」)
小学校の時から渋沢栄一のことは授業で学んできました。高校ではビジネス部に所属しています。第71回全国高等学校ビジネス計算競技大会の県予選会に出場し、7月30日に神奈川県の横浜武道館で行われる全国大会に出場することになりました。全国大会では楽しみながら頑張りたいです。
ビジネス部は、渋沢栄一が論語を学ぶために尾高惇忠の家に通った「論語の道」周辺にある「論語の里」のボランティアガイドも行っています。私も2年生の時にガイド役を務めましたが、ガイド役は正しい知識を伝えなければいけないので、とても緊張しました。
渋沢栄一のことばで最も好きなのは「夢七訓」です。
「夢なき者は理想なし」「理想なき者は信念なし」「信念なき者は計画なし」「計画なき者は実行なし」「実行なき者は成果なし」「成果なき者は幸福なし」「ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず」。幸せになるには夢を持つことが大事という意味です。渋沢栄一も大きな夢を持っていたからこそ、さまざまな挑戦ができたのだと思います。
将来の夢はまだ決めかねていますが、母の母校であり、就職のことも考えて、深商を選びました。卒業後は地元で就職したいと考えています。3年間で培った商業の知識を社会で発揮し、
渋沢栄一ゆかりの地である深谷に貢献できる人材になりたいです。
(2024年7月3日 埼玉新聞発行「新紙幣、新時代。~栄一翁の思い継ぐ~」より全文掲載)
■つつみ・ひとみ
2006年生まれ。深谷市出身。2022年に県立深谷商業高校商業科に入学。現在はビジネス部の部長を務める。高校在学中に日商簿記2級、全商簿記1級、ビジネス文書実務検定総合1級、珠算・電卓実務検定総合1級、漢検2級を取得した。
第10回は7月13日(土)、俳優の小林優仁さんを配信予定です。
=埼玉新聞WEB版=