男女共学化…高校生6割が反対、中学生6割は「共学へ行きたい」 埼玉県教委アンケート 意識の違い浮き彫り
県立男女別学高校の共学化について、県教育委員会は11日、県内在住・在学の中高生と保護者を対象に、4月から5月にかけて実施した共学化の是非などを問う記名アンケートの結果を公表した。回答数は約7万件で、高校生は6割ほどが「共学化しない方がよい」と回答。一方、中学生は「どちらでもよい」が半数以上となり、賛否は拮抗(きっこう)した。
アンケートは4月17日にウェブ上でスタート。当初は無記名で回答を募ったが、重複回答や対象者以外による回答といった不正への懸念から、開始2日で記名式に変更し、実質的なやり直しとなっていた。
記名式には、締め切りの5月17日までに7万471件の回答が集まり、うち姓名の未入力などで要件を満たさなかった回答5642件を除いた6万4829件を集計。回答者の内訳は、中学生2万4343件▽高校生7286件▽中学生保護者1万5790件▽高校生保護者1万7410件だった。
高校生で共学化に反対したのは4167人(57・2%)、賛成したのは570人(7・8%)で、2418人(33・2%)は「どちらでもよい」と回答した。反対理由で最も多かったのは「共学・別学の両方を選択できる方がよいから」で35%、賛成理由は「性別によって入学できない高校があるのは公平ではないから」の33・4%が最多だった。
一方、中学生は共学化について「どちらでもよい」としたのが1万3677人(56・2%)で、回答者の半数以上を占めた。共学化に反対は4698人(19・3%)、賛成は4551人(18・7%)でほぼ同数となり、高校生との意識の違いが浮き彫りになった。
また、中学生に対する共学・別学どちらの高校に進学したいかの質問では、1万3707人(56・3%)が「共学校に行きたい」と回答。男子校を希望するのは842人(3・5%)、女子校は837人(3・4%)で、6261人(25・7%)は「どちらでもよい」と答えた。
今回のアンケート結果は、これまで県教委が関係者に聴取した意見などと合わせて、共学化を勧告した県男女共同参画苦情処理委員に8月末までの提出を求められている報告の参考にする。
同日の県教委定例会で日吉亨教育長は「アンケートについて多くの方にご協力いただいた。多くの団体から要望書なども頂いている。教育委員としてしっかり目を通させていただく」と述べた。