埼玉新聞

 

FMクマガヤ開局、初放送祝う 生放送にこだわる地域メディア誕生 災害時には放送時間外でも緊急放送

  • FMクマガヤの開局を祝うスタッフら=3日午後、熊谷市筑波

 熊谷市と行田市を放送エリアとする県内8局目のコミュニティーFM放送局「FMクマガヤ」が3日、熊谷市筑波の熊谷駅ビル「アズ熊谷」6階で開局した。スタジオにスタッフら24人が集まり、初放送のカウントダウンを実施。「今を伝え、心をつなぐ」を合言葉に、生放送にこだわる新たな地域メディアの誕生を祝った。

 「FMクマガヤ開局です!」。マイクが並ぶスタジオに拍手と歓声が響く。4月3日午後2時10分。周波数の87・6メガヘルツを前に据えると、数字の並びが「8・7・6・GO(5)・4・3・2・1・0」とカウントダウンになるよう設定した。

 初放送のパーソナリティーとして自ら門出を飾った社長の宇野元英さん(40)は「たくさんの応援のおかげで開局にこぎ着けた。市民の皆さんが主役になるFMを作り、地域を盛り上げていきたい」と決意を語った。

 FMクマガヤは毎日午前7時~午後10時の15時間を生放送する(8日から)。地域の行事や話題のほか、協賛企業・店舗との共同番組も。東日本大震災を切っ掛けに開局の準備が進められ、災害時には放送時間外でも注意喚起や避難情報を緊急放送する。

 番組を届けるのは公募採用された個性豊かな男女23人のパーソナリティーだ。その中で最年少という熊谷市の下岡夕夏さんは「好きな音楽を通じて、若い人たちに聴いてもらえる番組を作りたい」と力を込める。

 FMクマガヤを知ってもらおうと、同じフロアではスタジオの様子を映し出すパブリックビューイング(PV)も行われた。

 趣味で全国のコミュニティーFMを聴いて巡っているという長野県佐久市の会社員小林一昭さん(55)は「全ての番組が生放送という点にやる気を感じる。一方通行ではなく、双方向で情報をやり取りする放送局になってほしい」と期待を寄せていた。

ツイート シェア シェア