埼玉新聞

 

客が殺到中“1万円”もらえるチャンスも 新1万円札効果で活況の街、大型連休並みの人出 記念館など客倍増、全国から注目 このままの勢いで夏休み突入へ

  • くす玉開き後、ポストカードを求めて大勢の来店客でにぎわいを見せる道の駅おかべ=13日正午ごろ、深谷市岡

    くす玉開き後、ポストカードを求めて大勢の来店客でにぎわいを見せる道の駅おかべ=13日正午ごろ、深谷市岡

  • くす玉開き後、ポストカードを求めて大勢の来店客でにぎわいを見せる道の駅おかべ=13日正午ごろ、深谷市岡

 深谷市出身の実業家渋沢栄一の新1万円札が3日に発行されたことを受け、市内がにぎわいを見せている。週末を中心に栄一ゆかりの地や道の駅などには観光客が殺到しており、栄一関連商品の売り上げも好調。関係者たちはチャンスをつかむため、盛り上がりの継続を期待している。

■大型連休並み

 「おめでとうございます!」。13日正午ごろ、深谷市岡の道の駅おかべ。同駅と市内にある道の駅はなぞのは、渋沢栄一が生まれた旧渋沢邸「中の家(なかんち)」が藍を製造販売していたことから、3日からイベント「藍色ジャック」を開催中。今月の土日や祝日の午前10時、正午、午後2時にはくす玉開きを実施している。各回先着100人に新1万円札発行記念ポストカードをプレゼントしており、来店客からは好評を集めている。

 13日に川越市から訪れた白土俊朗さん(72)は渋沢栄一関連の土産品を約2万円弱購入したという。「来週に茨城で法事があるので、埼玉土産にはちょうどいいかなと思ってきた」と笑顔を見せた。同駅は関連商品を約130種類用意しており、同駅の香月幸生駅長(40)は「先週末は大型連休並みの人出だった。このままの勢いで夏休みを迎えられれば」と語った。

■ネギー活用

 市内の中心市街地にある商店街「仲町商店会」は地域通貨「ネギー」を活用した独自のポイント還元イベントを14日まで実施している。対象店舗は仲町商店会のイベント実施店舗17店舗。還元率は20%で、1人当たりの還元上限額は1万ネギー。商店街で費用を負担して地域通貨ネギーのポイント還元イベントを行うのは市内で初めてという。

 同市仲町の藤橋藤三郎商店は江戸時代の1848(嘉永元)年創業の酒蔵で、渋沢栄一が設立に関わった深谷れんがを使用した煙突は県の景観重要建造物に指定される。若女将(おかみ)の藤橋めぐみさん(44)は「関連の商品の売り上げが好調で、このままブームが続いてくれれば」と期待を込めた。

■施設来場者2倍

 関連の施設も来場者が増えている。市によると、市内の渋沢栄一記念館や「中の家」は、7月に入ってからの1週間の来場者が4~6月の平均の2倍で推移しているという。

 小島進市長は13日に市役所西側市民広場で開かれた「深谷の魅力フェスタ」(深谷青年会議所主催)のあいさつで、「新1万円札発行の影響で深谷が全国から注目されているが、一過性にしては駄目。ここからがスタートで、深谷の魅力をアップさせていきたい」と話した。市内は14日に新1万円札発行を記念した祝賀パレードやトークイベントなどが行われる。
 

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