埼玉新聞

 

グランエミオ所沢の“ストリートピアノ”終了…「続けてほしい」市民ら要望、ずっと延長を重ねてきた 最終日にコンサート、別れを惜しむ 3年間で7万人が演奏した

  • ピアニスト末永匡さんの演奏を楽しむ来場者ら=7日、グランエミオ所沢

    ピアニスト末永匡さんの演奏を楽しむ来場者ら=7日、グランエミオ所沢

  • ピアニスト末永匡さんの演奏を楽しむ来場者ら=7日、グランエミオ所沢

 西武線所沢駅直結の商業施設「グランエミオ所沢」にあるストリートピアノの設置期間が終了した。最終日の7日は「音まちピアノありがとうコンサート」が開催され、約200人が約3年間親しんだピアノとの別れを惜しんだ。

 出演したのは所沢市在住のピアニスト末永匡(ただし)さん(46)、市立南陵中2年の石川徳人さん(13)、ピアノの移設先児童館に通う今井望満さん(7)、ピアノの運営ボランティア有志2人の計5人。

 末永さんはリストの「バラード第2番」と、アンコールでシューマンの「トロイメライ」を演奏。ピアノについて「駅にある雰囲気がとても好き。よく見るとたくさん傷がある、よく弾かれているピアノで、今まで弾いてきた人の思いを感じる」と語った。

 石川さんはピアノ設置当時小学5年生で、オープニングコンサートに出演した1番目の奏者。時間がある時やコンクール前などに何度も弾きに来たという。7日はコンクールで演奏予定の曲などを披露し、大きな拍手が送られた。「(演奏は)緊張した。ピアノはなくなっても思い出はしっかり残るはず」と話した。

 ストリートピアノは所沢市の事業「音楽のあるまちづくり」の一環で、2021年9月に4週間限定の予定で設置された。グランエミオ所沢が駅改札口正面のスペースを無償提供。「続けてほしい」という市民の声を受けて設置期間の延長を重ねてきたが、期間満了を迎え、終了が決まった。

 約3年でボランティア約23人が運営に関わり、延べ約7万人が演奏。ピアノは今後、市内の児童館で使われる予定。
 

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