埼玉新聞

 

目指すはBプレミア B1昇格の越谷アルファーズ 祝賀パレードに1.5万人の市民ら 「埼玉はプロスポーツの文化に慣れている」 今後はアリーナ整備が課題に チームの活躍、地域の活性化につながる

  • B1昇格で「さらなる成長を」と語る越谷アルファーズの上原和人社長=春日部市緑町のクラブハウス

    B1昇格で「さらなる成長を」と語る越谷アルファーズの上原和人社長=春日部市緑町のクラブハウス

  • ホームアリーナの候補地に上げられる市有地(越谷市提供)

    ホームアリーナの候補地に上げられる市有地(越谷市提供)

  • B1昇格で「さらなる成長を」と語る越谷アルファーズの上原和人社長=春日部市緑町のクラブハウス
  • ホームアリーナの候補地に上げられる市有地(越谷市提供)

 プロバスケットボール男子Bリーグ(B1)に昇格する越谷アルファーズ。越谷市をホームタウンに、県東部を中心にファンを増やしている。チームはBリーグが2026年に設立する最高峰の新リーグBプレミアへの参入を表明。28―29シーズンでの参入を視野に、B1での活躍を誓う。参入への課題は、5千人規模のアリーナ整備で、チームは市に要望書を提出した。

 ■昇格で県東部の顔に

 越谷アルファーズは23―24シーズン、B2で準優勝し、悲願のB1昇格を遂げた。6月2日、越谷市役所周辺で開かれた祝賀パレードには、1万5千人超のファンや市民が集まり選手を祝福した。

 B2で着実に順位を上げ、ファンを増やした。23―24シーズンは平均入場者2千人超、売り上げも10億円を超す見通し。21年からチームの運営に携わり、23年に代表に就任した上原和人代表取締役社長(45)は「ようやく土台をつくることができた。さらに上の成長を目指したい」と話す。

 越谷のネギや草加のせんべいをモチーフにした応援グッズを販売。春日部に練習コートを整備するなど、プロチームとして県東部の顔になった。上原社長は「市民の反応が抜群に良い。埼玉はプロスポーツの文化に慣れている」と手応えを感じている。

 チームはB1昇格を果たし、Bプレミア参入を目指す。参入基準を見定めるB1でのシーズン、審査、準備期間を経て28―29シーズンからBプレミア参入の可能性を模索する。上原社長は「今シーズンの様子を見ながら、28シーズンか29シーズンか、どちらで目指すか決めたい」とする。

 BリーグはBプレミアの参入基準について、入場者数平均4千人以上▽売り上げ12億円▽収容人数5千人規模のアリーナの整備―を挙げる。越谷は、B1昇格でファンや広告効果の拡大を見込み、入場者数と売り上げは基準に見合う数字を計上できる見通し。

 ■市有地活用で要望書

 課題はアリーナの整備だ。チームは新たなホームアリーナを越谷レイクタウン地域に整備するビジョンを表明。市が所有する約1万平方メートルの土地活用を念頭に、市に要望書を提出した。ショッピングセンターや水辺の景観に、アリーナを整備することで地域での相乗効果を図るという。

 市は6月議会で、アリーナ整備は「民設民営が基本」とくぎを刺す一方、地域交流施設を設けることで協力できる可能性に触れた。市は今後、チームの活躍と地域の活性化に向け、支援メニューについて検討する方針。福田晃市長は「アルファーズの活躍は市民の郷土愛の醸成につながるものでうれしい限り。引き続きチームと綿密に協議を重ねていきたい」とコメントした。

 上原社長はチームの活躍が地域の活性化につながると強調する。「越谷アルファーズがB1に上がったことで、外部から越谷にお客さんが訪れ、宿泊や観光で街に貢献できる。越谷、県東部のシンボルになれば」と思いを語った。

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