埼玉新聞

 

ギター製造・販売のフェルナンデスが破産 国産ブランド「FERNANDES」 愛用者に布袋寅泰さんやⅩ JAPANの故hideさんら 負債総額は7億円 ギター職人の養成学校も開設

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    ギター製造・販売のフェルナンデスが破産

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 国産エレキギターブランド「FERNANDES」で知られるギター・パーツ製造販売のフェルナンデス(戸田市)は事業を停止し、破産手続きを杉田聡士弁護士ほか1人(弁護士法人オリオン池袋東口法律事務所、東京都豊島区)に一任したことが17日までに分かった。東京商工リサーチ埼玉支店によると、負債総額は債権者約80人に対して約7億円。

 同社は1969年、前身の斉藤楽器を設立。72年に商号を「フェルナンデス」に変更した。エレキギターを主力にベース、アンプ、エフェクターなどを手がけ、大手楽器店に販売基盤を構築。84年には米国に現地法人を、85年にはギター職人の養成学校「FGES」を開設した。

 同社のギター、ベースは国内外多数のアーティストに愛用され、ギタリストの布袋寅泰さんやⅩ JAPANの故hideさんらのオリジナルモデルも販売。99年1月期には年商40億円台まで業績を拡大したが、近年は中古市場の拡大や個人消費の低迷を受け売上高は縮小していた。同業他社との価格競争激化で単価の下落が続き、2022年1月期は売上高が1億6608万円まで縮小し、2414万円の損失を計上していた。24年1月期は2期連続で増収を記録したが、経費負担が重く最終赤字をたどっていた。

 エンドユーザーの高齢化や円安による仕入れ価格の負担増などにより資金繰りが逼迫(ひっぱく)し、事業継続を断念した。

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