埼玉新聞

 

大河「青天を衝け」、吉沢亮さんには尊敬 志尊淳さん、杉浦愛蔵を語る「多く残した功績を表現したい」

  • 大河ドラマ「青天を衝け」で杉浦愛蔵(譲)役を演じる志尊淳さん(NHK提供)

 深谷市出身の実業家・渋沢栄一が主人公の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」で、外国奉行支配の杉浦愛蔵(譲)役を演じる志尊淳さん(26)。オンライン取材会で、「(杉浦は)多くの功績を残してきたが、焦点が当たる前に亡くなってしまった人物。自分が役柄を通じて、その魅力を少しでも伝えていきたい」と意気込みを語った。

 杉浦愛蔵(譲)は、徳川昭武の随員として、パリ万国博覧会に派遣された。その中で渋沢栄一と親交を深め、後に家族ぐるみの付き合いをするほどの仲に。維新後は静岡へ移り、明治新政府に出仕。渋沢が立ち上げた民部省改正掛の一員となり、前島密らと郵便制度の確立に尽力した。

 大河ドラマ初出演の志尊さん。杉浦役は「渋沢栄一を武士や戦いとは違う立場から、陰で支えてきた人物」と明かす。「(栄一の)の身を削って未来へ突き進む姿に感化される。この人のためになりたいという思いが、2人の絆につながったのでは」

 主演の吉沢亮さんについては「同じ役柄を1年通じて演じることは、生半可な気持ちではできない。尊敬のまなざし」と語る。「栄一とは後に親友の間柄となる存在。親交を深めていく過程を、役柄やせりふから感じる互いの雰囲気を尊重しながら演じた。笑顔が垣間見える瞬間もあって、楽しく共演できた」とほほ笑んだ。

 杉浦にとってのパリ万博を「命を懸けた旅に同行することは、何事にも代え難い経験」と考察。「帰国後に海外で触れた文化や知識を、日本で伝えることに誇りを持っている。その功績を自分が役と向き合う中で表現したい」と力を込めた。

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