手足口病の感染増加 埼玉県内、1医療機関当たり21・75人 警報の基準を大幅に超える 乳幼児が集団生活している保育施設、幼稚園で集団感染起こりやすい 「必ず手洗いを」と呼びかけ
手足や口の粘膜に発疹ができ、乳幼児を中心に流行する手足口病の感染者数が過去10年で最多のペースで増加している。国立感染症研究所によると、1~7日に全国の定点医療機関から報告された感染者数(速報値)は3万5960人。1医療機関当たり11・46人で、全国38都府県で警報の発令基準を超えている。埼玉県内でも大幅に増えており、県は注意を呼びかけている。
埼玉県は6月26日から手足口病の警報を発令している。県が今月17日に発表した最新の1医療機関当たりの定点報告数(7月8~14日)は21・75人で、警報の発令基準(5・0人)を大幅に上回る状況が続いている。報告された患者数は3524人で、保健所別では鴻巣(鴻巣、上尾、桶川、北本市、伊奈町)、川越市、南部(蕨、戸田市)で定点当たり報告数が30人を超えている。
県感染症対策課によると、手足口病は乳幼児を中心に感染する傾向があるものの、成人の感染も県内で報告されている。例年、ピークは7月下旬から8月上旬。今年は流行の始まりが1カ月ほど早く、今後の拡大が懸念される。感染経路は主に3種類で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染のほか、乳幼児のおむつ交換の際、手や指に付着したウイルスを含む排せつ物が口などに入る糞口(ふんこう)感染が起こりやすいという。
大野元裕知事は16日の定例会見で「乳幼児が集団生活している保育施設、幼稚園で集団感染が起こりやすい。マスク着用などのせきエチケットの励行、アルコールの消毒効果が低いということで、手洗いを必ずしていただきたい」と呼びかけた。
新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数は9・97人で、4月29日~5月5日の2・17人から10週連続で増加。保健所別では幸手(久喜、蓮田、幸手、白岡市、宮代、杉戸町)が最も多く、入院患者の年齢別では65歳以上が全体の約76%となっている。
発熱などの症状がある場合は、県の救急電話相談(#7119)に問い合わせれば、受診の必要性などについて助言を受けることができる。