埼玉新聞

 

<埼玉西武だより アカデミー(上)>宮田和希コーチ、優しさつめた野球テキスト 第二の主戦場はアカデミー

  • 自作のテキストを手にもって紹介する宮田和希アカデミーコーチ(球団提供)

 まるで学校の先生のように子どもたち一人ひとりの成長を手助けし、見守る。丁寧な口調で保護者に当日の練習メニューを説明し、子どもたちの目線で、時には元プロならではの視点で、野球と野球少年の距離をより近づけていく。ライオンズアカデミー飯能校ですくすくと育つ子どもたちの中心に、メーン講師を務める宮田和希コーチの姿が光る。

 2016年に現役を引退し、通算では35試合に登板。主戦場は中継ぎだった。17年からアカデミーコーチとしてデビューし、この道早くも4年。その月日の中で、宮田コーチは日々、子どもたちと接しながらさまざまなことを気遣い、彼らが「野球を好きになってくれるため」どうするべきかを模索しながら、自らの仕事に“肉付け”をしてきた。

 「まずは野球のルールをしっかり覚えてもらえたらなと思いまして…」。控えめに笑うその表情とは対照的に、生徒たちに配られたのは複数ページにわたる宮田作の「野球テキスト」。中には1、2年生もいることから、全ての漢字にはふりがなが振られ、各ページにはイラストが散りばめられる。周囲の球団社員に聞きながらワードなどのパソコン作業を0から勉強して作った、まさに宮田コーチの優しさがつまったものだ。

 どんな仕事にもノルマやルーティンがある中でライオンズアカデミーのコーチたちは、それに加えて自らの色を出していく。現役時代、年数を重ねるごとにスライダーのキレが鋭くなっていったように、アカデミーコーチとして第二の人生が軌道に乗った今、彼のこだわりや優しさが授業の中で存分に滲み出るようになってきた。

=つづく=

(西武ライオンズ広報部)

=埼玉新聞WEB版=

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