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大型倒産…自動車から不動産に転換も破産へ 元BMWディーラー、負債総額70億円超か 川口のALV(旧セントラル自動車技研)

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    川口のALV(旧セントラル自動車技研)が破産へ

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 不動産賃貸のALV(旧セントラル自動車技研、川口市)は19日までに事業を停止し、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたことが分かった。破産管財人は上石奈緒弁護士(四季の法律事務所、東京都千代田区)。帝国データバンク大宮支店によると、負債総額は70億円を超えるとみられている。

 同社は1960年代半ばに設立。当初は自動車教習所を経営していたが、自動車販売、整備事業に参入。BMWやMINIの正規ディーラーとして輸入四輪車、二輪車の販売を中心に自動車整備業を営み、ピーク時には年間300億円に迫る売上高を計上していた。90年代には田中徳兵衛ホールディングスの傘下に入っていた。

 その後、個人消費の低迷などで販売台数が下落すると、多額の有利子負債や関係会社、グループ活動の諸経費がかさみ、近年は収益性や資金繰りが悪化。2020年にグループとして中小企業再生支援協議会に支援を要請していた。金融機関やBMWなどとの調整を経て、正規ディーラーの営業権や二輪の販売事業を譲渡した後は不動産賃貸業中心の営業に転換していた。

 22年2月に東京テクニカル・リサーチと合併(商号はセントラル自動車技研)。今年6月にALVに変更した。金融債務をセントラル自動車技研から引き継ぐ形で今回の措置となった。

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