埼玉新聞

 

泣く3歳女児、汗だくで母を探す…スーパーへ行こうとし迷子に 交通量が多い道 女子高生と女子中学生の姉妹、女児を発見し抱っこ…家に送り届ける 心配で自宅前にいた祖母が涙 母は買物でなく仕事に向かっていた

  • 迷子の女児を保護した高校生と中学生の姉妹に感謝状が贈られた。左から田中聖人署長、岡部美羽さん、岡部朱里さん=加須署

    迷子の女児を保護した高校生と中学生の姉妹に感謝状が贈られた。左から田中聖人署長、岡部美羽さん、岡部朱里さん=加須署

  • 迷子の女児を保護した高校生と中学生の姉妹に感謝状が贈られた。左から田中聖人署長、岡部美羽さん、岡部朱里さん=加須署

 埼玉県警加須署(田中聖人署長)は22日、加須市琴寄で迷子になった3歳の女児を保護した功労で、県立栗橋北彩高校2年生の岡部朱里(じゅり)さん(16)と大利根中学校1年生の岡部美羽さん(13)の姉妹に同署で感謝状を贈った。

 6日午前11時25分ごろ、ごみステーションにごみを出す途中、泣いている小さい女の子を美羽さんが発見した。1人では危ないと気になり、「どうしたの?」と朱里さんが声をかけた。

 朱里さんは「女の子は3歳で、『お母さんを探しにスーパーに行くところ』と話していた。車の交通量が多くて危ないと心配になり、女の子が歩いてきた道を一緒に戻って家に送り届けることにした」と振り返った。

 美羽さんは「泣いている汗だくの女の子を見つけた。姉に知らせて、保護することにした」と話す。姉妹は、家に送り届けるまでの約330メートルを女の子のペースで寄り添った。歩き疲れた女の子を朱里さんが抱っこしたりした。

 家の前では祖母が心配そうに待っていた。孫が無事に戻って、祖母は思わず涙した。事情を聴くと、女の子の母親は仕事で出かけ、同じ敷地内にいる祖母に女の子を託したという。女の子は母親が買物に行ったと勘違いして、探そうと家を出たようだ。

 田中署長は「小さい子が事故に遭う可能性がある中、勇気を持って保護していただいた。近くには用水路もある。車の交通量も多い。当日は暑い日でもあった」と話し、姉妹の思いやりに感謝した。
 

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