<高校野球>覇を競う埼玉・私学の両雄、直接対決は浦和学院に軍配 ここ一番での集中力でライバルしのぐ
埼玉高校野球界で長年にわたり、覇を競ってきた浦和学院と春日部共栄。2017年の第99回大会準決勝以来となる、私学の両雄による夏の直接対決は、浦和学院に軍配が上がった。
「初回に失点してチームに硬さがあった」と振り返る主将の吉田瑞。一回こそ、積極的にバットを振ってくる春日部共栄に先制を許した。だが、五回に金田の適時打で追い付くと、1―1で迎えた七回には一挙4点を勝ち越し。ここ一番での集中力と抜け目なさで、ライバルをしのいだ。
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8番宮城から始まった七回の攻撃。森監督も「あそこのチャンスが大きかった」と勝因に挙げる。先頭の宮城が右前打で出塁し、八谷の犠打に失策が絡み無死一、二塁。相手守備の小さなほころびを逃さなかった。
1番吉田匠も犠打を決め、1死二、三塁として重圧を与えると、続く金田が「何とかヒットを打ってやろう」と甘いスライダーを中前に運び勝ち越しの2点適時打。さらに、2死満塁から高松が2点適時打を放った。
走塁でも見せた。九回1死二塁から藤井が大きな中飛を放つと、二塁走者の吉田瑞が「迷わず判断した」と一気に本塁突入。犠飛となり、ダメ押しの6点目を奪った。
早いタイミングでの継投も的確だった。森監督は「(捕手の)吉田瑞樹が『球が来ていません』と言ってくれたから、四回に継投を判断できた」と言う。監督と選手の意思疎通が取れたことで、先発宮城から2番手金田への好リリーフにつながり、春日部共栄打線を1失点に抑えられた。
3年ぶりの甲子園出場まであと一つ。金田は「あと1勝、全力でやる」と語り、吉田瑞は「ベンチだけではなく選手全員で一丸になって勝ちにいく」と意気込んだ。
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