閉店…イトーヨーカドー春日部店、半世紀の歴史に幕 クレしん“サトーココノカドー”のモデル ロビンソンより早く1972年に開店、2000年代から競争激化、11月24日に閉店へ 客らショック
2024/07/27/11:07
春日部市のイトーヨーカドー春日部店(同市中央1丁目)は26日、11月24日に閉店すると発表した。店舗は人気アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場する「サトーココノカドー」のモデル。半世紀にわたり市中心街のにぎわいを支えてきた店舗の閉店に、市民は「本当に寂しい」と口をそろえた。
同店は春日部駅西口の発展に合わせ、1972年に開店した。96年12月、現在の建物に移転しており、店舗建物は地下1階地上5階。
駅西口は同店の周りに商店が立ち並ぶ。80年代には東口にロビンソン百貨店が開店。駅の東西に大型店が店を構え、中心街は存在感を高めた。2000年代に入り、周辺地域に次々とショッピングモールがオープンし競争が激化。16年、ロビンソン百貨店の後継の西武百貨店春日部店が閉店していた。
同店は「クレヨンしんちゃん」に登場する「サトーココノカドー」のモデルとしても知られる。17年には期間限定で店舗看板をアニメのデザインに着せ替えるなど、アニメをテーマにした企画やイベントを開催し注目を浴びた。
市商工振興課によると、今月中旬、本社から店舗閉店の報告を受けたという。岩谷一弘市長は閉店の発表を受け「率直に残念な気持ち。これまでの功績に深く感謝する。従業員の雇用が維持され、市民生活に影響が少ない形で進むよう願う」とコメントした。
「閉店のお知らせ」が26日、店舗入り口とホームページに掲示された。店舗前では、来店者が足を止め、閉店を告げる張り紙を見つめていた。市内に住む60代女性は「ショッピングセンターができて、お客さんが減り心配していた」。30年以上にわたり店舗を利用しているという別の60代女性は「この辺はスーパーも増えた。買い物はここだけではなくなったから。でも本当に寂しい」と語った。