埼玉新聞

 

必死で逃げる男、ただ事でない!事件を察知の郵便局員、3キロ追跡 隠れている男を知らせ、警官が逮捕

  • 平本代表理事から感謝状を贈呈され、笑顔の青木さん(中)と小田川さん(右)=19日午後、鴻巣市筑波1丁目の吹上郵便局

 パチンコ店に押し入った強盗致傷容疑者の逮捕に貢献したとして、パチンコ景品買取所の公正を実現する第三者機関「彩の国安全・安心事業協会」(代表理事・平本一郎テレビ埼玉会長)は19日、吹上郵便局員の青木三徳さん(43)=熊谷市=と、小田川大騎さん(28)=東松山市=に感謝状を贈呈した。

 同郵便局で平本代表理事から感謝状を手渡されると、青木さんは「こんなにすごいことをした実感がなかったのでびっくり」、小田川さんは「当時は犯人を捕まえなきゃと必死だったので、うれしい」と、そろって恐縮顔。平本代表理事は「犯人を追跡しようと思っても、実際に行動に移すのは勇気がないとできることではない」と、2人の行動力に賛辞を送った。

 同協会によると、事件は6月28日午前10時40分ごろ、鴻巣市鎌塚のパチンコ店で発生。営業準備のため敷地内の景品買取所に女性従業員(46)が入ろうとした際、背後から男に口をふさがれ、「金を出せ」と押し倒された。女性が抵抗したため男は何も奪わずに逃走したが、女性はねんざなどの軽傷を負った。

 顧客宅に向かうためバイクで信号待ちをしていた青木さんが、パチンコ店員2人に追われている男を発見。「男の必死の逃げ方で、ただ事ではないと分かった」と事件を察知した青木さんは、気付かれないようにバイクで男を3キロほど追跡し、民家とアパートの隙間で隠れている男を確認。たまたま通り掛かった同僚の小田川さんに追跡を託し、自身は同事件で出動していたパトカーへ知らせに。駆け付けた警察官が男を逮捕した。

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