埼玉新聞

 

【ぷらっとTOKYO】石神井川の氾濫防ぐ大工事 市民憩う緑豊かな都立城北中央公園

  •  地上から見たケーソン上部開口部=東京都内

     地上から見たケーソン上部開口部=東京都内

  •  ケーソン底部=東京都内

     ケーソン底部=東京都内

  •  ケーソン内部、取水口部分(右)から底部へと続く斜面=東京都内

     ケーソン内部、取水口部分(右)から底部へと続く斜面=東京都内

  •  園内にはイチョウなど数多くの樹木が植わっている=東京都練馬区

     園内にはイチョウなど数多くの樹木が植わっている=東京都練馬区

  •  復元された奈良時代初めごろの竪穴住居=東京都練馬区

     復元された奈良時代初めごろの竪穴住居=東京都練馬区

  •  地上から見たケーソン上部開口部=東京都内
  •  ケーソン底部=東京都内
  •  ケーソン内部、取水口部分(右)から底部へと続く斜面=東京都内
  •  園内にはイチョウなど数多くの樹木が植わっている=東京都練馬区
  •  復元された奈良時代初めごろの竪穴住居=東京都練馬区

 東京都内を流れる石神井川の治水事業で、練馬・板橋の区境にある都立城北中央公園付近で大規模工事が行われている。平日に見学ができると知り、工事現場を訪れた。

 小平市から西東京市、練馬区、板橋区と流れて北区で隅田川へと合流する石神井川では、定期的に大規模な水害が発生。近年の豪雨の発生増加で、都は1時間当たり75ミリの降雨に対応する整備を進めている。

 「城北中央公園調節池」として石神井川沿いに整備されるのは、地下に水をためる鉄筋コンクリート造りの巨大な箱「ケーソン」五つ。来年3月までの1期工事では、うち二つを造る。計約9万立方メートル、25メートルプール300杯分ほどためられる。

 事務所で説明を受け、ヘルメットを借りて現場へ。むき出しの鉄骨や配線が延び、クレーンなどの重機が配置された地上から、足場を伝ってケーソン内部へ降りていく。にぎわいが遠くなり徐々に空気はひんやり。水が静かに流入するよう、取水口から底部まで斜面が続く。地下約30メートルの底部では、二つのケーソンがつながり、大広間のような光景が広がっていた。

 川向かいの城北中央公園は約26ヘクタールの広大な敷地にケヤキやイチョウ、サクラなど9千本を超える樹木が植えられ、市民の目を楽しませている。売店やテニスコート、野球場を眺めながら遊歩道を行くと、1955年に発見された栗原遺跡がある。旧石器時代から平安時代にわたる複合遺跡で、奈良時代初めごろの竪穴住居が復元されていた。

 公園近くの寺院「安養院」は、鎌倉幕府の執権北条時頼が創建したと伝わる。境内には小川が流れ、真言宗の開祖弘法大師空海の修行像も立っていた。

 【メモ】工事現場へ行くには東京メトロ有楽町線・副都心線氷川台駅や東武東上線上板橋駅が便利。見学の問い合わせは東京都第4建設事務所工事第2課、電話03(5978)1769。

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