埼玉新聞

 

行方不明…8時間も歩いた男性、路上に両手を突いていた 苦しそうな状態 ピザ配達の男子大学生、水を買って男性に渡す…さらに店に連絡し帰宅 男性を家へ送ろうと、車に乗り換えて出発 称賛され母「優しい息子」

  • 感謝状を手に福山大和さん(中)と母親のエリンダさん(右)

    感謝状を手に福山大和さん(中)と母親のエリンダさん(右)

  • 感謝状を手に福山大和さん(中)と母親のエリンダさん(右)

 道路に座り込んでいた80代の男性を手厚く保護したとして、埼玉県警吉川署は5日、三郷市内に住む大学生福山大和さん(20)に感謝状を贈呈した。

 福山さんは7月8日午後8時25分ごろ、同市茂田井の路上で川口市に住む男性を発見。道に迷い三郷市まで来たところ、福山さんに保護されたという。男性は家族が行方不明届を提出していた。

 同署や福山さんによると、男性は路上で息遣いが荒く苦しそうに両手を突いていたという。福山さんは、アルバイトでピザを配達し店舗に戻る途中だった。飲み水を購入、男性に手渡し自宅を聞いたところ、「家はすぐ近く」と答えたという。福山さんは店に事情を報告し、自宅に帰り車で男性を送ろうとした。

 男性を乗せ車を走らせると、自宅の所在がはっきりしない。男性が所持していた身分証を確認すると自宅は川口市内だった。このため福山さんは男性を吉川署に送り届けた。

 男性は同日昼過ぎ、川口市の自宅を出た後、連絡が取れず、8時間近くかけ三郷市まで歩いて来たとされる。同署は「そのまま放置していれば事件、事故に巻き込まれていた可能性もある」と福山さんに感謝を示した。

 感謝状贈呈式には母親のエリンダさん(49)が付き添った。エリンダさんは「優しい息子」と話す。福山さんは感謝状を受け取り「光栄です。(男性の)体調が回復して良かった」と笑顔を見せた。
 

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