大規模な食中毒発生の学校給食や新庁舎建設、新型コロナ対策で論戦 埼玉・八潮市長選が告示 現新一騎打ち
任期満了に伴う八潮市長選が29日告示され、いずれも無所属で、元市議で新人の郡司伶子氏(77)=共産推薦=と3選を目指す現職の大山忍氏(64)が立候補し、現新による一騎打ちとなった。昨年6月に大規模な食中毒が発生した学校給食の在り方や現在進められている新庁舎建設、新型コロナウイルス対策などについて論戦が交わされそうだ。同時に告示された市議選は、定数21に対し、現職、新人、元職の29人が出馬した。いずれも投開票は9月5日。
出陣式で郡司氏は「子どもたちにおいしい安全な給食を提供したい」と強調。さらに新庁舎建設計画の見直しを訴え、「建設が進められようとしているが、市長になって変えていきたい」と訴えた。
郡司氏はバスガイドや製造会社社員などを経て、市議を7期務めた。学校給食の民間業者への全面委託を継続する現市政を批判し、新設校に給食室を作るなど公設自校方式への移行を掲げている。
大山氏は出陣式で、学校給食の提供体制を含めた将来構想の策定や、耐震性や使いやすさを備えた新庁舎建設を訴え、「地域の皆さんが住んで良かったと思えるまちにしたい。共生と協働のまちづくりを進めていきたい」と主張した。
大山氏は県議を経て2013年の市長選で初当選。前回は無投票で再選された。これまでの2期8年の実績と経験を訴え、コロナや災害、環境対策など持続可能なまちづくりを推進する。
市議選には現職14人、新人12人、元職3人が立候補した。党派別内訳は公明、共産が各4人、自民2、立民と維新各1、諸派2、無所属15。
有権者数は28日現在、7万5724人(男3万9349人、女3万6375人)。
■郡司伶子氏
【略歴】(1)元市議(2)団体役員(3)芦別高(4)北海道(5)大曽根
【公約】(1)安全でおいしい学校給食を自校方式で(2)新庁舎建設計画の見直し(3)市独自のコロナ対策拡充
■大山忍氏
【略歴】(1)市長(2)県議(3)成蹊大(4)八潮市(5)八潮
【公約】(1)市学校給食ビジョンの策定(2)安心で効率的な新庁舎の建設(3)新型コロナに負けない安全・安心なまちづくり
※略歴は(1)肩書(2)主な経歴(3)最終学歴(4)出身地(5)現住所―の順。埼玉新聞調べ