野球中に事故…車いすの不安から救われパラ“銅”獲得した中町選手 救った地元クリニック、ケーキで出迎え
2021/09/06/00:00
東京パラリンピックの車いすラグビー日本代表の一員として銅メダルを獲得した鴻巣市の中町俊耶選手(27)=北本市出身=が3日、鴻巣市本町のたけうちクリニック(竹内幾也院長)を表敬訪問した。中町選手は、同クリニックが運営する「訪問看護ステーション 明里(あかり)」の診察を月1回受けており、今回はメダルを携えての凱旋。「1人の車いすの人間となり、将来が不安だった中、このクリニックと出合えて献身的にサポートしていただけたことが、競技での活躍につながった」と感謝を伝えた。
中町選手は北本市立北小で野球を始め、同市立宮内中、本庄第一高を経て、共栄大学に進学。大学1年生の時に練習中の事故で頚髄(けいずい)を損傷した。所沢市の国立障害者リハビリテーションセンターに入院中、車いすラグビーを始め、2017年から日本代表強化選手になり、パラリンピックは今回が初出場だった。
訪問看護では、けがで感覚がまひした部分の治療や尿路感染症の予防・対処などを診察。担当看護師の酒巻理津子さんは「(中町選手との出会いは)私にとっても教えていただくことばかりだった。大会前に『メダルを持って帰ります』と連絡が来ていたので、有言実行となってうれしい」とほほ笑んだ。
この日は、スタッフが手作りしたメッセージボードやくす玉、お祝いのケーキなどで祝福。竹内院長は「代表を勝ち取り、無事に大会に出場して活躍する姿は、私たち職員にも勇気を与えてくれた。今後も全力でサポートしていきたい」と激励した。
中町選手は「試合の出場機会があまりなく、個人的には悔いが残る大会でもあった。3年後のパリでは、良い結果を残せるように頑張りたい」と飛躍を誓った。