埼玉新聞

 

どぶろく特区の横瀬、飲食店でどぶろく提供始まる 「そばの会」が地元産の米で製造「いずれは古代米で」

  • 完成したどぶろくを振る舞う店主の田端伸夫さん=横瀬町横瀬の「お食事処 伸平」

 地域を限定して規制緩和する国の構造改革特区で、少量のどぶろく製造ができる「どぶろく特区」に県内で初めて認定された横瀬町で、酒類製造免許を取得した町内のそば生産者団体「横瀬そばの会」が町産のコメを原料としたどぶろくを完成させた。どぶろくは町内の飲食店などで提供を開始。関係者は知名度向上やさらなる発展に意欲を示している。

 同会は遊休農地を活用し、そばやコメを栽培。町産のそばは町内の飲食店やイベントなどで提供され、町内外から高い人気を誇っている。そばと一緒に栽培した町産のコメを原料としたどぶろくを振る舞うことで地域活性化を図ろうと、町にどぶろく特区を提案し、昨年8月に「都心近くのいなかまち よこぜどぶろく特区」として認定された。

 どぶろくを製造するためには酒類製造免許を取得する必要があるが、特区に認定されたことで、町内でどぶろくを製造する場合には酒造法の規定による「最低製造数量基準(年間製造見込み数量が6キロリットル以上であること)」の規定が適用されなくなった。同会は昨年9月に申請し、今年2月に酒類製造免許を取得した。

 同会は整備した花咲山醸造所で、栽培した無農薬のコシヒカリを原料に製造を実施。どぶろくはコメ、米こうじ、水のみを発酵させて造る。温度調整や品質管理で試行錯誤を重ね、どぶろくを完成させた。完成品は町内にある飲食店「お食事処 伸平(しんべい)」と「小松沢レジャー農園」で、1合700円(税込み)で提供を始めた。

 同会会計の武藤量司さん(69)は「味も香りも良くて、最初からこんなにうまくできるとは思わなかった。いずれは古代米も使って仕込んでみたい」と意気込む。同会顧問で伸平を営む田端伸夫さん(71)も「イベントなどでも販売していき、知名度を上げていければ」と話していた。

ツイート シェア シェア