県は13日、新型コロナウイルスの軽症患者らに行う「抗体カクテル療法」を14日から、県内ホテルで開始すると発表した。医療機関以外で同療法が行われるのは県内では初めて。大野元裕知事は13日午前、記者団に「早期治療によってリスクの高い方の重症化防止、宿泊療養施設で行うことで医療機関に対する病床の負担軽減に期待する」と述べた。

　抗体カクテル療法は軽症や中等症の新型コロナ患者のうち、基礎疾患があるなど重症化リスクが高い人が対象の治療法。2種類の抗体医薬品を混ぜて点滴し、ウイルスが人間の細胞に結合するのを防ぎ、増殖を抑える効果がある。

　県内では8月16日から、医療機関で同療法を開始。5日までに86人に治療を行い、いずれも重症化防止など一定の効果が得られ、県は「効果は高い」とみているという。

　今回は宿泊療養施設の一部を臨時の医療施設に指定し、提携する協力医療機関により1日当たり8人を治療。約20分の投薬後、24時間の健康観察を行う。発症から7日以内、肥満や基礎疾患など重症化リスクのある患者を保健所が選定し、同療法実施対象者として県調整本部に連絡。ホテルに搬送して実施する。

　実施場所は非公開。当面は1カ所で実施する。