埼玉新聞

 

大雨ためて浸水軽減 道路の下に巨大な地下トンネル 戸田市で親子見学会 「広くてびっくり」 9月には一般向けの見学会も予定

  • 戸田市の「北大通り」地下で工事が進む、巨大な雨水貯留管内で担当者の説明を聞く参加者=24日午前、戸田市内

    戸田市の「北大通り」地下で工事が進む、巨大な雨水貯留管内で担当者の説明を聞く参加者=24日午前、戸田市内

  • 戸田市の「北大通り」地下で工事が進む、巨大な雨水貯留管内で担当者の説明を聞く参加者=24日午前、戸田市内

 戸田市内の「北大通り」地下で行われている雨水貯留管建設工事の親子見学会が24日、同工事現場で行われ、完成が近づく巨大な地下トンネル内部が参加者に公開された。

 戸田市の雨水貯留管は集中豪雨などで大量に降った雨を一時的にためて、浸水被害を軽減するため、市内を東西に延びる北大通り地下に整備が進む施設。内径6メートル、長さはJR戸田駅前から笹目川に架かる山宮橋東側までの約920メートル。ためておける雨水の量は約2万6千立方メートルで25メートルプール86杯分に相当するという。

 市内では短時間で大量の雨が降る機会が増えたことで、排水路が雨水を処理しきれない浸水被害がたびたび発生しており、特に2019年の台風19号で市内に大きな被害が出たことが雨水貯留管の設置のきっかけになったという。

 工事は円筒形の掘削機が回転する「シールドマシン」と呼ばれる装置で地下を掘り進め、同時に「セグメント」と呼ばれる部材でトンネルの壁を造りながら進められている。全ての工事が完了するのは26年3月末、供用開始は同4月を予定している。

 見学会で参加者は班ごとに分かれ、JR戸田駅西口近くの工事現場から階段を降り、地下に掘られた巨大な横穴へ。ひんやりとした空気の中、奥へ行くほど湿気で結露する壁面を見ながら歩行者用通路を進み、工事担当者からこれまでの工事の様子や工法の特徴などについて説明を受けた。

 市内から参加した会社員の生井和浩さん(43)は「戸田駅前は大雨で通れなくなることもある。工事は思ったよりも機械化されていた」と驚いた様子。長女で小学6年生の愛梨さんは「地下道が広くてびっくり。すごい技術で造られている」、長男で小学3年の瑛斗さんは「トンネルは広かった。なかなかできない体験ができた」と話していた。

 市によると9月には一般向けの見学会も予定されているという。

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