埼玉新聞

 

<新型コロナ>ワクチン接種、前向きは7割超 若年層の意識、埼玉県が調査「副反応怖い」「効果に疑問」

  • 接種会場に入っていく若者=17日午後、さいたま市浦和区

 新型コロナウイルス対策で、若者のワクチン接種率の向上が課題となっている。県が行った意識調査では、若年層(18~39歳)のうち7割超は接種に前向きな回答をしたが、高齢者に比べると割合は低い。接種しない理由としては「副反応が怖い」「効果に疑問がある」を挙げる人が多かった。県は24時間体制の専門相談窓口で対応しているほか、今後インターネットを通じた広報啓発活動も強化し、接種を促進する方針だ。

 県によると、県内全体の接種率は、14日時点で1回目が57%、2回目が44・6%。若年層の内訳を見ると、15~19歳の接種率は1回目が25・61%、2回目が10・8%。20~29歳は同32・97%と同18・34%、30~39歳は同35・55%と同19・04%となっている(いずれも13日時点)。

 県が実施した若年層を対象とした意識調査では、70・3%から接種に前向きな回答が寄せられた。一方、後ろ向きな理由としては「ワクチンの副反応が心配だから」が65・4%で最も多く、「ワクチンの効果に疑問があるから」が36・7%で続いた。

 熊谷駅前でバス待ちをしていた熊谷市に住む大学1年生斉藤樹さん(18)は「熱が出たり腕が痛くなると友達から聞いた。いつか予約してワクチンを打とうかなという気持ちもあるが、それがいつになるかは分からない」と、副反応を理由に接種を控えている。

 本庄市に住む高校1年の女子生徒(16)も同じ。「今はワクチンを打ちたいとは思っていない。副反応が怖い。いずれ打つのかもしれないが、取りあえず今は様子を見たい」

 本人の意思に反し、打たざるを得ないケースも。都内の看護学校に通う女性(22)は、5月ごろに学校の付属病院で接種を受けた。「最初は副反応が怖くて打ちたくなかったが、打たないと実習に行けないと言われて」接種を受け、熱や倦怠(けんたい)感などの副反応が出たという。

 県は副反応に24時間体制で対応する専門相談窓口を開設。実際に副反応が生じた場合でも、相談可能となっている。今月下旬には、コロナやワクチンに関する正確な情報をウェブや動画投稿サイトのユーチューブで提供するなど、若者の接種促進に向けた広報をしていく予定だ。

 県保健医療政策課新型コロナウイルスワクチンチームは「接種するか否かの態度を明らかにしていない人は18・2%。この層をターゲットに広報を行い、(若年層の接種率を)高齢者の接種率に近づけていきたい」とし、「正確な情報発信を強化するので、安心して接種してもらいたい」と話している。

 ワクチン接種は任意。県は強制させたり、未接種の人に対し差別的な扱いをしないよう呼び掛けている。

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