特殊詐欺被害を未然に防いだとして、埼玉県の大宮署は27日、さいたま農業協同組合日進支店職員の野中亜矢子さん（40）に感謝状を贈呈した。

　野中さんは8月18日午前10時半ごろ、来店した70代女性から「農協の職員から、還付金があるのでATM（現金自動預払機）へ行くように電話をもらった」と相談を受けた。時折、来店する女性が普段と様子が違ったことで詐欺を疑ったという野中さん。「還付金だから詐欺ではないよね？」と信じ込む女性をいったん落ち着かせて、話を聞いた。女性が「市役所からも電話があった」と述べたことから、市役所に事実ではないことを確認。同僚が大宮署にホットライン通報した。

　野中さんは感謝状を受け取り「普段の仕事をした上で防げて良かった」と笑顔。同署の富岡洋署長は「一回、思い込むと引き返すのが難しい。止めてもらえたのはありがたいし、頼もしい」と感謝していた。