浦和とウラワ、同じ名前で交流へ サッカー盛んなソロモン諸島の島から書簡 さいたま市長、交流促進を約束
南太平洋のソロモン諸島に属するウラワ島とさいたま市浦和区。同じ読みのつながりから、国際交流が生まれている。在東京ソロモン諸島名誉領事館の北野貴裕名誉領事(北野建設会長兼社長)ら日本人職員が9月30日、ウラワ島のあるマキラ・ウラワ州首相の書簡を持って市役所を訪れ、清水勇人市長に手渡した。サッカーが盛んという共通点もあり、両者はウラワ島と浦和の交流促進を約束した。
ソロモン諸島はオーストラリアの北東に位置し、約千の島からなる島国。1978年に英国から独立した。太平洋戦争の激戦地として知られるガダルカナル島に首都ホニアラがあり、サッカーは国民的スポーツだという。ウラワ島は2009年当時の人口が3297人、同国の中でも小さな島で面積は約66平方キロメートル。
名誉領事館の日本人職員が19年7月にソロモン諸島を訪れ、ウラワ島出身の政府関係者に「日本にも浦和というまちがあり、サッカーが盛んだ」と話し、地元紙に取り上げられ現地で話題になった。昨年6月には北野建設社員で、同領事館の芳賀達也事務局長が、ツイッターで「浦和と読みが同じ『ウラワ島』があります。多くの浦和関係の方々にお知らせしたい」とツイート。同市の公式ツイッターと相互にフォローして話題となった。
ジュリアン・マカア州首相の書簡は今年2月22日付で、「同じウラワのよしみで、サッカーを含めたスポーツなどいろいろな交流をさせていただきたい」という内容。新型コロナウイルスの影響で郵便が停止するなどして、原本が日本に届くのが遅れていた。
清水市長は現地の海の写真を見ながら、「同じ名前による良いご縁。親しみやすく、サッカーのつながりもあり、子どもたちを含め、いろいろな交流ができたらと思う。さいたま市は海がないので、コロナ収束後に訪れたい」と交流に前向きだった。
同国はコロナの影響で、入国禁止の措置を取っている。親日的な国だが、同市を含め自治体との交流はほとんどなかった。北野さんは「書簡を渡すことができて、皆さんに感謝している。ソロモン諸島への観光に興味を持つ人が少しずつ増え始めた頃に、コロナが起きた。将来的には浦和とのつながりで友好関係を持てたらありがたい」と話していた。