埼玉新聞

 

「戦友」の伴走者と銅メダル 女子マラソンの道下美里

  •  道下美里(中央)を支えた青山由佳さん(右)と志田淳さん=7月、千葉県富津市

     道下美里(中央)を支えた青山由佳さん(右)と志田淳さん=7月、千葉県富津市

  •  道下美里(中央)を支えた青山由佳さん(右)と志田淳さん=7月、千葉県富津市

 「勝利に向かって妥協しない」。女子マラソン(視覚障害)の道下美里(47)を支える「戦友」は、それが道下の魅力と口をそろえる。苦楽を共にし、時に叱咤激励する伴走者。志田淳さん(51)、青山由佳さん(38)と金メダルを獲得した東京大会後も一緒に鍛錬を続けた。8日のパリの舞台を青山さんは走れなかったが、道下は後半を伴走した志田さんに声をかけられながらゴールし、銅メダルを手にした。

 山口県下関市出身で、小学4年で膠様滴状角膜ジストロフィーを発症した道下は、中学2年の時に右目の視力を失い、その後左目も徐々に悪くなった。マラソンをするようになり、視覚障害女子マラソンが2016年のリオデジャネイロ大会で初採用されたことを機に2人と出会った。

 青山さんは相模原市役所に、志田さんはNECに勤務。普段は毎日朝夕に個別でトレーニングし、月1~2回程度、合宿をして練習する。

 この3年間でつながりはさらに深まった。道下は「仲間が常に支えてくれ、応援してくれた。本当にみんなのおかげ」と涙しながら感謝した。(共同)

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