埼玉新聞

 

<新型コロナ>待ちに待った宣言解除 埼玉・川越の観光名所、一層のにぎわい期待 警戒心の緩みに不安視も

  • 緊急事態宣言が解除された最初の週末を迎え、蔵造りの街並みを楽しむ観光客=2日午後、川越市の川越一番街

 緊急事態宣言が解除された各地は2日、初の週末を迎えた。蔵造りの建物が立ち並ぶ川越一番街など川越市の観光名所には、好天に恵まれ、観光や買い物を楽しむ人たちの姿が見られた。商店も観光客も感染が再拡大しないよう注意を払いながら、久しぶりの秋の行楽を楽しんだ。

 一番街に面した和菓子店の店員は「7、8月ごろから若い人や小さな子ども連れの家族が増えだし、9月になるとそれがさらに多くなった」と話す。「若い人は食べ歩きできる物を買う。お土産用に買い求める年配のお客さんが増えてくると助かる」と宣言解除に伴い、一層のにぎわいを期待した。

 一方、駄菓子店などが軒を連ねる観光スポットの菓子屋横丁で、土産物店を営む店主は「ここにきて、新型コロナウイルスへの警戒心が緩んできている感じがする。感染の再拡大が怖い」と感染第6波を不安視する。「マスクを着けずに店前の道路を歩いている観光客も見受けられる。感染に注意を払いながら接客している」と話した。

 小江戸川越七福神の福禄寿が祭られている蓮馨寺の近くにあるワインバーは、新型コロナの影響で8月から臨時休業していたが、2日から営業を再開した。「待ちに待った宣言解除。街で普通にお酒が飲めるようになることが日常に戻った証し」とオーナー。2日以降も自主的に夜の営業時間を短縮するという。「今ぐらいの感染状況に抑え込み、店が営業できる状態が続いてほしい」と願った。

 千葉県松戸市から家族で訪れていた60代の会社員男性は「屋外での観光だし、ワクチンも2回接種を終えているので安心感がある。なるべく人混みには行かないよう心掛けて観光を楽しみたい」と話していた。

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