ファミリーマート（東京都港区）は12日から、東武岩槻駅（さいたま市岩槻区）に併設の「ファミリーマート岩槻駅店」に店員を介さず無人で決済ができるシステムを導入し、リニューアルオープンした。忙しい通勤通学時や移動の合間などでも短時間で手軽に買い物ができるなど利用客の利便性が向上するだけでなく、店舗側も人件費など運営コストを低減できる。同社が無人決済システムを導入するのは全国で3店舗目で、県内では初。

　システムは、客がレジ前に立つとタッチパネルに自動で合計金額が表示され、現金、電子マネー、クレジット決済を選択し支払うことで買い物が完了する仕組み。店先では利用手順をアニメーションで解説したモニターを設置し、駅利用客の周知にも努める。

　広さ35平方メートルの店内におにぎりやパン、飲料などの食料品や傘など、駅併設のコンビニ店で売れやすい商品まで約600品目を取りそろえた。天井に20台のカメラを設置したほか、商品棚に品目ごとの重量計を設置することで、重さの変化で客が手に取った商品を読み取る。

　同社によると、常駐する店員を半分程度抑えることができることから、課題となっていた働き手不足の解消も期待できるという。

　同店がある東武岩槻駅は、県内の東武野田線でも乗降人数が3番目に多い急行停車駅。近年では住宅地開発などが進んでおり、利用者の利便性向上が求められていた。

　運営を手掛ける東武商事の矢沢武士リテール営業部長は「新型コロナウイルス下の非対面、非接触需要にも対応でき、駅利用者の利便性を大幅に高めることができると期待している」と話し、一定期間店舗運営状況のデータを取った上で、導入店舗を順次拡大していく考えを示した。