熊谷市のアパートで9月、住人の無職の女性（27）が殺害された事件で、県警熊谷署捜査本部は21日、殺人の疑いで、東京都東村山市美住町1丁目、派遣社員の男（32）を逮捕した。「殺していない」と容疑を否認しているという。

　男と女性は今年、会員制交流サイト（SNS）を通じて知り合った知人とみられ、県警は2人の関係や殺害に至った経緯を調べる。

　逮捕容疑は9月3日午後、熊谷市見晴町のアパート一室で、女性の首を圧迫して殺害した疑い。

　捜査本部によると、現場付近の防犯カメラやドライブレコーダーを調べたところ、同日午後、アパートの近くに駐車されていた不審な車を特定。車はレンタカーで、車内の解析などから、男の関与が浮上した。

　男は女性と知人関係だったことを認めており、当日に現場付近に行ったことをほのめかしているという。

　2人は今年前半、SNSのコミュニケーションアプリを利用して知り合い、何度か会ったことがあるとみられている。女性の携帯電話は見つかっていないという。

　県警は男が女性宅を訪れていたとみて、詳しく事情を聴く。

■現場周辺の住民は安ど

　殺人事件のあった現場は、秩父鉄道上熊谷駅から歩いて約10分のところにある閑静な住宅街。

　近くに住む50代女性は容疑者逮捕の報に、安心した表情を見せ、「この辺は事件が多いので怖いなと思っていた。メールなどで『怖いね』という話はしていた」と話した。

　近所の男性（76）は、事件後、捜査をする多くの警察官を見た。「現場付近を通る車、一台一台止めて聞き込みをしていたし、家を回って聞き込んでいた。しっかり捜査をやってくれたのではないか。2次被害がなくて良かった」

　近くのコンビニエンスストアのオーナーの松浦紀一さんは「容疑者が捕まるまで、この辺の人たちは不安な思いを抱えていたと思う。捕まって安心したのではないか」と話した。