埼玉新聞

 

アキュラホーム、新本社棟は24年完成予定 純木造で建築、伝統的な木組みと最新技術で コスト圧縮も実現

  • アキュラホームがさいたま市西区内に建築する、新本社棟の完成予想図(同社提供)

 さいたま市内に本社を戻すことを発表している注文住宅メーカーのアキュラホーム(東京都新宿区)は21日、新築する本社棟の説明会を開き、8階建ての高層棟を含め3棟を純木造で建築することを明らかにした。国内でも珍しい、特殊な接合金物を用いず伝統的な木組みを使いながら、最新の技術も加味して建築を進める。2022年着工、24年完成予定で、一般的な高層木造ビルの3分の2程度の費用で建築できるようにする。

 宮沢俊哉社長は木材活用による脱炭素への取り組みと強調しつつ「工法を全国の工務店にも公開し、公共施設などの建築に活用してもらえるようにしたい」と話した。

 同市西区三橋5丁目、国道17号新大宮バイパス沿い、敷地面積約9千平方メートル内に、木造軸組工法を応用し、中大規模木造建築の社屋を建築する。国内で普及するプレカット加工技術を活用し、高さ31メートルの8階建ての高層棟と、2階建て2棟を建築予定。

 建物は免震装置に頼らない耐震構造であることに加え、構造体の木を現しにした形で作られる木造。「継手」「仕口」の伝統工法を活用する。

 店舗や事務所棟など民間建築物への木材利用を促す改正公共建築物木材利用促進法が1日に施行された。宮沢社長は脱炭素や地方創生へ木造建築物の普及も必要と指摘し「全国の工務店に工法をオープンにすることでコスト圧縮のほか、新しい時代の作り手の育成につなげたい」と話した。

 同社は県内創業。2007年まで同市大宮区に本社を置いていた。

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