埼玉新聞

 

【東京ウオッチ】純粋に描き続けた“線と色彩”たどる―銀座画廊との絆、ベルナール・ビュッフェ展 いまのTokyoをつかむイベント情報(28日~10月6日)

  •  ベルナール・ビュッフェ「籠の果物のある静物」(89×116cm 1962年)((C)ギャルリーためなが)(提供写真)

     ベルナール・ビュッフェ「籠の果物のある静物」(89×116cm 1962年)((C)ギャルリーためなが)(提供写真)

  •  1960年代パリの街に立つベルナール・ビュッフェ(左)と爲永清司さん((C)ギャルリーためなが)(提供写真)

     1960年代パリの街に立つベルナール・ビュッフェ(左)と爲永清司さん((C)ギャルリーためなが)(提供写真)

  •  フランス展で紹介される菓子(提供写真)

     フランス展で紹介される菓子(提供写真)

  •  「エトロ」の期間限定店舗のイメージ画像(提供写真)

     「エトロ」の期間限定店舗のイメージ画像(提供写真)

  •  練馬区立四季の香ローズガーデンに咲くシンボルローズ「四季の香」(提供写真)

     練馬区立四季の香ローズガーデンに咲くシンボルローズ「四季の香」(提供写真)

  •  ベルナール・ビュッフェ「籠の果物のある静物」(89×116cm 1962年)((C)ギャルリーためなが)(提供写真)
  •  1960年代パリの街に立つベルナール・ビュッフェ(左)と爲永清司さん((C)ギャルリーためなが)(提供写真)
  •  フランス展で紹介される菓子(提供写真)
  •  「エトロ」の期間限定店舗のイメージ画像(提供写真)
  •  練馬区立四季の香ローズガーデンに咲くシンボルローズ「四季の香」(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【28日(土)】

 ▽「ベルナール・ビュッフェ展」(~10月20日、中央区・ギャルリーためなが)

 20世紀フランス絵画界の最後の巨匠と言われる現代具象画家ベルナール・ビュッフェの回顧展が、銀座の「ギャルリーためなが」で開催されている。

 強い黒線と独特の色彩の作品で知られる。第2次大戦後の不安や虚無感を描き出し、世界中の人々の共感を呼んだ。

 1958年に、ギャラリー創業者の爲永清司さんはパリの画廊で開かれた展覧会でビュッフェに出会いその才能に注目、親交を深める。69年から東洋における独占販売契約を結び、国内外にビュッフェの作品を紹介し続けた。

 本展では、初期から最晩年の40年代後半~90年代に制作された約35点を紹介。作家の創作の変遷をたどる構成となる。

 40年代は抑制された色彩の静物画で戦後の人々の心を捉えたが、60年代の作品「籠の果物のある静物」は「この頃から強い赤色などを使うようになり、作風が変わってきた」と息子で代表の清嗣さんは話す。生涯にわたりパリの名所をよく描いた。80年代の「コンシェルジュリー」は特徴的な垂直線で描いた建物に迫力を感じる作品だ。

 「若い頃はとがった雰囲気があり、時の文化大臣にも盾突き我が道を行く人だったと聞くが、自分の知るビュッフェは穏やかな人だった」と振り返る。幼少期の博物館学への興味が垣間見える昆虫の絵画など、作家の“素の姿”が伝わる作品もあり、信じた才能を世に伝えてきた父子2代の画廊と画家との固い絆が感じられる。

 清嗣さんは「画壇や市場の動向を気にすることもなく、根っからの芸術家として純粋に描くことを追求してきたビュッフェの姿勢を感じてもらいたい」と話した。

 ○そのほかのお薦めイベント

 【28日(土)】

 ▽「フランス展2024」(~10月7日、中央区・日本橋三越本店)

 フランスのグルメやアートを楽しみながら、現地の雰囲気が味わえるイベントが、日本橋で行われている。

 会場には多種多様なスイーツがめじろ押しだ。注目は、ブルターニュ地方レンヌ発祥の焼き菓子「パルルモンタン」。アーモンドが入った柔らかい生地に、リンゴをシードルで煮たコンポートを詰め込んでいる。 

 会場では、来日した人気パティシエ、イヴァン・シュヴァリエさんが特製のモンブランを作る様子が見られる。東京で食べたモンブランに感銘を受け、本国で試作を重ね作りあげた1品。催事バイヤーの山崎陽介さんは「フランス好きの人だけではなく、SNSを通して知った作り手本人に直に会いたい人たちが多く訪れている」と話す。

 フランス各地で話題のブーランジェリーのパンも勢ぞろい。シトロンクリームとブリオッシュ生地をあわせたレモンタルト、ロースハムとコンテチーズを挟んだサンドイッチを手に取ると、現地気分に浸れる。

 「作り手の創造性や本場の雰囲気をここまで体感できる物産展は珍しい」と山崎さん。「フランス人は自分の地域に誇りを持ち、食にもその土地で生産されたものを使う。他の地域への敬意も欠かさない。日本の各地にも存在するような風土や文化を味わってほしい」。食器やテーブルクロスなど数々のインテリア製品も楽しめる。

 ▽「エトロの期間限定店舗」(~10月29日、伊勢丹新宿店)

 イタリアのファッションブランド「エトロ」の期間限定店舗が、新宿で開かれている。

 クリエーティブ・ディレクターのマルコ・デ・ヴィンチェンツォさんによる新作レザーグッズのコレクションをそろえた。シャープで洗練されたシルエットが特徴のアイコンバッグ「ヴェラ」の新作をはじめ、この秋の新作バッグ「リブラ」のラインアップが展開されている。秋に向けて新たなファッションを探しにいきたい。

 【5日(土)】

 ▽「【リーブラユース大学 第2回】推し活スタディーズ~推し活から学ぶジェンダーと社会~」(14時、事前予約制、港区立男女平等参画センター リーブラ)

 ジェンダーについて学んだことがない人でも気軽に参加できるイベントが、芝浦で行われる。

 講師は東京大大学院教授の田中東子さん。自身も推し活をしている田中さんと共に、アニメ、漫画、アイドルなどの「推し活」の魅力と、そこから派生するジェンダーの問題を考える。

 ▽「2024 オータムフェスティバル」(~11月4日、練馬区立四季の香ローズガーデン、入場無料)

 本格的な秋の訪れと共に多種多様なバラを楽しめるイベントが、光が丘で開かれる。

 今年の見頃は10月中旬から11月中旬頃。濃い色とつやが特徴的な秋バラが見頃を迎える時期に合わせた催しとなる。

 園内では、6種類の香りの違いごとに作庭した「香りのローズガーデン」と、パレットのようにバラを花色ごとに配置した「色彩のローズガーデン」に300品種以上の秋バラが開花する。

 木漏れ日の光を表現した黄色とピンクのマーブル模様の「四季の香」は園のある光が丘をイメージしたオリジナルのシンボルローズ。紅茶を感じる香りが堪能できる。美しい花々と共に秋の香りに包まれたい。

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