埼玉新聞

 

<衆院選>新型コロナ対策や経済政策…党代表ら埼玉で最後の訴え 31日投開票、「自民1強」政治に審判

  • 聴衆を前に支持を呼び掛ける自民党総裁の岸田文雄首相=30日午前、東松山市の東松山駅東口

  • 最終日に地元入りする立憲民主党の枝野幸男代表=30日午後、さいたま市大宮区の大宮駅東口

 第49回衆院選は31日、投開票される。約9年間にわたって政権運営を続けた安倍、菅両政権から続く「自民1強」政治の評価と、新たに発足した岸田政権が信任を得られるかどうかが問われる。前回2017年の衆院選で465議席中313議席の絶対安定多数を確保した与党の自民、公明両党は、新型コロナ対策や傷ついた経済の立て直しなどを掲げ、連立政権の継続を呼び掛けてきた。対する立憲民主や共産、国民民主など野党は政権批判を強め、政治の転換を訴えてきた。12日間にわたる選挙戦最終日の30日は党代表や幹部が埼玉県内入りするなど、各地で候補者と共に最後の訴えを行った。11月1日未明にも大勢が判明する。

 首相の就任から10日後に衆院解散、その17日後に投開票を迎える短期決戦となった。

 新型コロナ対策や経済財政・消費税、社会保障や子育て政策、外交・安全保障・憲法、エネルギーや復興政策などで各候補者らが論戦を展開。新型コロナの感染状況が落ち着きつつある中、通常の街頭演説のほかインターネット、会員制交流サイト(SNS)を駆使して支持を呼び掛けた。

 県内15小選挙区には前回より10人少ない44人が立候補(うち女性8人)。自民は全選挙区に15人、立民は11人、共産は6人、日本維新の会は4人、国民民主2人、「NHKと裁判してる党弁護士法72条で」1人、無所属5人が出馬した。

 最終日は秋晴れの中、県内小選挙区や比例区(北関東ブロック)で議席獲得を目指す候補者らが、駅頭などで最後の訴えに声を張り上げた。

 自民は同日午前、東松山市、さいたま市内に岸田文雄首相(党総裁)が入り、大勢の聴衆を前に「今回の選挙は未来選択選挙。日本の未来を選び取ることは、皆さん一人一人の未来を選び取ること」と述べ、支持を呼び掛けた。

 立民の枝野幸男代表は同日午後、支援者が迎える中、さいたま市大宮区のJR大宮駅東口に立ち「選択肢のある社会に国民の意志で変えよう。安心できる社会を取り戻す先頭に立たせてほしい」と現在の政治の転換を訴えた。

 投票は午前7時から午後8時まで。秩父市、ときがわ町、長瀞町、小鹿野町、神川町の一部投票所では、終了時間を繰り上げて行われる。

 県選管によると小選挙区の開票は最も早い自治体が午後8時から開始され、開票終了は小選挙区が11月1日午前1時35分、比例代表と国民審査が同午前2時半を見込んでいる。

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