埼玉新聞

 

<衆院選>最後の訴え、懸命に 候補者ら支持呼び掛け 総裁や前首相、前知事ら大物議員も激戦区で応援

  • 立候補者の最後の訴えに耳を傾ける有権者ら=30日午後、川越市(画像の一部を加工しています)

 衆院選は30日、選挙戦の最終日を迎えた。解散から公示まで1週間もなかった短期決戦。県内選挙区の候補者らは駅前や街角で最後の訴えを行った。特に激戦区の候補者たちは懸命に支持を呼び掛けた。

■3区

 自民前職の黄川田仁志氏(51)、立民前職の山川百合子氏(52)、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新人の河合悠祐氏(40)の3人が争う3区(越谷市など)。接戦を展開する黄川田氏と山川氏は越谷、草加市内で遊説や打ち上げ式を行い、最後の訴えをした。河合氏はインターネット中心の独自の活動を展開した。

 黄川田氏は午後5時、草加駅で「最後の最後まで一人でも多く声を掛けてほしい」と訴えた。越谷駅前での打ち上げ式には菅義偉前首相も応援に入った。

 山川氏は午後6時から越谷市の新越谷駅で街頭演説を行い、「国民と向き合わない今の政治を変えていきたい。皆さんの思いを託してほしい」と訴えた。

 ユーチューバーとして活動している河合氏は、少子化対策を掲げ、自身のユーチューブチャンネルで動画を公開するなど独自の選挙戦を展開した。

■7区

 立民前職の小宮山泰子氏(56)と自民新人の中野英幸氏(60)が激しく競り合い、維新新人の伊勢田享子氏(44)が間隙(かんげき)を突こうとしている7区。

 小宮山氏はふじみ野駅や鶴瀬駅などで支援を呼び掛けた。午後7時半から川越駅東口近くの商店街入り口で最後の訴えを行った。「社会的弱者をつくらない、老後を安心して暮らせる日本にしたい」と強調した。

 伊勢田氏は川越市などでマイクを握った。「7区で唯一、世襲でない候補者」と自身をアピールし、ほかの候補者2人との違いを示した。午後7時半にはふじみ野駅で最後の訴えを行って、選挙戦を終えた。

 中野氏は正午から川越駅前で開かれた公明党街頭演説会に参加し、夕方は富士見市などで遊説。午後6時に川越駅東口近くの商店街入り口で「アフターコロナの次の成長戦略を中野英幸に任せてください」と力を込めた。

■10区

 立民前職の坂本祐之輔氏(66)と自民新人の山口晋氏(38)が一騎打ちで競り合う10区。東松山や坂戸市などで最後の訴えを行った。

 坂本氏は午前中、鶴ケ島、坂戸市の各地で街頭演説をし、午後は東松山市内を中心に回った。午後4時からは市内の東松山駅東口で打ち上げ式を行った。坂本氏は「格差社会が進んでいる。(この現状を)政治、政権を変えて、国政は国民の皆さんのためにあることを示そうではないか」と訴えた。

 山口氏は午前9時から東松山駅で比企地域の打ち上げ式を行った。岸田文雄総裁が応援演説に訪れ、自公政権、山口氏への支持を呼び掛けた。その後、比企や坂戸、鶴ケ島の各所で街頭演説し、「新しい国造りに挑戦させてほしい」と訴えた。午後7時から坂戸駅南口での打ち上げ式で締めくくった。

■12区

 立民前職の森田俊和氏(47)と自民前職の野中厚氏(44)が激しく競り合ってきた12区。最後の一押しを求めて、懸命に声を張り上げた。

 森田氏は前知事の上田清司参院議員も応援に駆け付ける中、大票田の地元熊谷市で街頭演説を実施。「前回の492票差が心残りで、今回は小選挙区で勝ち上がることが絶対に必要。少しずつ差を詰めて、1票でも追い越したい」と訴えた。最後は熊谷駅北口で打ち上げ式を行った。

 野中氏も熊谷駅南口で公明の元職や参院議員と一緒に街頭演説を実施し、支持を求めた。「厳しい選挙だが、われわれのやってきた国造りをさらに前に進めるためには、自公政権を継続させなければいけない」と強調した。行田市や羽生市を経て、最後は地元加須市で締めくくった。

ツイート シェア シェア